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島原あゆむ
島原あゆむ
novelistID. 27645
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【第四回・参】恋のタコヤキ合戦

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矜羯羅を見たまま周りの観客そして京助達も止まってしまった
「…すごぉい…」
悠助が目をきらきらさせて矜羯羅を見ている
「…これで終わり?」
クィっと手の甲で口を拭うと矜羯羅が微笑んだ
「お前…爪楊枝持った意味ねぇじゃん…;」
京助が矜羯羅の持っている爪楊枝を指差して言うと観客がどよめきだした
「あの山盛りてんこ盛りのタコヤキを一気にかきこみやがった…;」
「…どこに入ったのかしら…;」
「すげぇ…」
「やっぱり雑技団の人なのかしらねぇ…格好もアレだし」
客がざわざわと話し出す
「お…おかわり追加ッ!!」
坂田が屋台の中でタコヤキを焼いている本間と浜本に向かって叫んだ
「ッ…俺もッ!!」
最後の3個のタコヤキを口に突っ込んでハルも手を上げると客から拍手が起こった
「…不味そうで食うの嫌だったんじゃないのか?」
矜羯羅の前に再び山盛りてんこ盛りのタコヤキを置きながら京助が言った
「いいじゃない? 別に…それに僕は不味そうって言ったんであって不味いとは言ってないからね」
「…ようは気に入ったわけか」
ヘッと口の端で京助が笑った
「きょんがらさん頑張れー!!」
悠助がピョンピョン跳ねて矜羯羅を応援すると制多迦がひょいと悠助を肩車した
そんな悠助に矜羯羅が笑顔で手を振る

「…面白いね…」
矜羯羅が呟いた
「は? 何が」
京助が聞き返す
「…悠助も京助も」
矜羯羅が京助に向かって微笑みながら返す
「僕が君を殺そうとしたこと…いくら馬鹿だからって忘れちゃいないでしょ?」
「…そりゃぁなスッゲェ痛かったし?」
京助が自分の肩をさすりながら言った
「それなのに自分から僕に近づいてくるんだから…面白いよ京助は…。そして悠助も…制多迦があんなに懐いてる」
矜羯羅が目を細めて制多迦を見ると京助も同じく制多迦を見た
「俺には悠が懐いてるように見えるけどな…どっちにしろいいんじゃねぇ? 仲がいいんだからさ」
制多迦に肩車をされてはしゃぐ悠助を見て京助は目を細めて微笑む
「俺ン家父親いねぇから…悠は父親の顔もしらないし父親がどんなものなのかもわからないだろ? …俺も顔覚えてねぇんだけどさ; …だからなのかな悠には笑っていて欲しいんだわ俺。笑ってる悠を見てると俺も嬉しいし」
「…やぱり面白いよ京助は…僕にそんな話しちゃうんだから…」
矜羯羅がフフッと笑う
「なっ;いいだろ別に!; …早く食えよ負けるぞ」
京助が矜羯羅に食って掛かった
「…でも…わかる気がするよその気持ち…僕にも…」
矜羯羅が呟いてタコヤキに爪楊枝を刺した
「こんな僕にも大切なものがあるからね…でさ話し変わるんだけど」
いきなり話題転換宣言をして矜羯羅が京助を見た