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島原あゆむ
島原あゆむ
novelistID. 27645
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【第四回・参】恋のタコヤキ合戦

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沸き起こる歓声の中ハルがタコヤキをものすごい速さで口に運んでいく
「…お前食わないのか?」
京助が机に肘をついている矜羯羅に言った
「…まずそうだし?」
矜羯羅がにっこり笑ってタコヤキを指差した
「俺が焼いたタコヤキにケチつけるたぁいい度胸だ!! 口あけろ口ッ!!」
京助がタコヤキを爪楊枝に指して矜羯羅(こんがら)に突きつける
「い・や・だ・よ」
その手を掴んで矜羯羅が言うと後ろから坂田と浜本が押さえつけた
「…食え」
押さえられていない方の手で直手掴みで矜羯羅の顔にタコヤキを押し付ける
周りから沸き起こる【食え食え】コール
「…助けないんだっちゃ?」
緊那羅が制多迦に聞くと制多迦が苦笑いを返してきた
「きょんがらさんタコヤキ嫌いなの?」
悠助が制多迦を見上げて聞いた
「…んない; 僕も初めてみる食べ物だし」
制多迦(せいたか)がタコヤキを押し付けられている矜羯羅に目を向けた
「いいか…ムグ!?」
矜羯羅がいい加減にしろと口を開き言いかけて【か】のところで京助がタコヤキを押し込む
そして
「ヨッシャー!!!」
っと声を上げると拍手が起こった
矜羯羅はというと机に手をついて口を押さえたまま動かない
隣ではハルがタコヤキを周り気にせずかっ食らっている
「きょんがらさん負けちゃうよ?」
悠助が緊那羅と制多迦を見ていった
「…怒ったんじゃないんだっちゃ?;」
動かない矜羯羅を見て緊那羅が制多迦に聞いた
「…かんない;」
制多迦が首をかしげた
ゆっくりと口から手を離して矜羯羅が顔を上げた
口の端に微妙にソースが着いていたらしくそれを手で拭うとタコヤキに刺してあった爪楊枝を掴んだ
「これで食べればいいんだね?」
矜羯羅がにっこりと笑った