小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」
島原あゆむ
島原あゆむ
novelistID. 27645
新規ユーザー登録
E-MAIL
PASSWORD
次回から自動でログイン

 

作品詳細に戻る

 

【第四回・参】恋のタコヤキ合戦

INDEX|12ページ/17ページ|

次のページ前のページ
 

「レディ~ス!! ア~ンドジェントルメ~ン?」
坂田が両手を広げてエセ司会を開始する
「うっわ微妙に疑問形な呼びかけだし」
それに対して阿部が突っ込む
「これより! 我がたこやき処あしはぽーん主催!! 高橋ミヨコ争奪!! タコヤキ大食い大会を開催イタシマ~ス!!」
坂田が大声で言うと廊下を歩いていた生徒や客が覗き込み始めた
「それでは~!! 選手の紹介!! まずは~…あぁかコォオナァ!! ミヨの事となると猪突猛進山本リンダ!!! 風林火山もカニ歩き!! 身長184センチ! 結構モテてるけどミヨ以外は眼中になし!! 池田ハルヒコ-----!!」
坂田がよくわからない言葉を並べてハルを紹介する
「続いてあぁおコォオナァ!! キダムからの使者か!! はたまた中国雑技団か劇団四季の役者か何かか!! 俺には負けるが結構美形!! 名前のいいずらさは天下一品! 栄野京助の従兄弟(仮)!! きょ…こ……とにかくコイツ-----!!!」
名前を言うところでかんでしまった坂田が矜羯羅を指差して紹介する
そんな坂田の大声の紹介に教室前の廊下にはギャラリーが集まりだしていた
「…一体何?」
坂田に指を指されたまま矜羯羅が言った
「いいか? よぉく聞けよ?」
京助が矜羯羅に近づいて小声で話し出した
「…ハルはお前と違って普通のヤツなんだ」
「わかってるよそんなこと…だから何?」
矜羯羅が溜息混じりに聞き返す
「そんな普通のヤツとお前が戦ってどっちが勝つかなんて俺でもわかる」
京助が矜羯羅に指を突きつけて言った
「そこでだ。ココは一つ力と力の戦いではなく他のことで戦ってみたらどうだ?」
「他?」
矜羯羅が京助の手を掴んで突きつけられていた指を下ろさせる
「そ!! 他」
にーっと京助が笑う
「…別にいいよ…?」
矜羯羅がにっこりと笑ってハルを見た
「どんな勝負でも勝つのは僕だから」
そう言って掴んでいた京助の手を離した
京助が坂田と浜本に向かって親指を立て【やったぜ!丸め込み成功!!】と合図すると坂田と浜本も親指を立てて返した

「ルールは簡単!! どっちが多くのタコヤキを腹ン中に収められるかで勝敗が決まるだけ!! 負けたヤツは勝ったヤツの分までお会計御願い致します!! 審判は俺! タコヤキ神坂田深弦が担当させていただきます!」
そう言って坂田がお辞儀するといつの間にか教室の中まで入ってきていた客から歓声が沸き起こった
「頑張れ~!! 池田ンとこの一番下!!」
「ハルちゃん! 頑張るんだよ!!」
さすが地元とあってハルに対する声援が多い
「ヘンな格好の人~!! 頑張って~!!」
「こっちむいて~!!」
ソレに対して矜羯羅に声援を飛ばすのは比較的若い女性とお子様だった
携帯でバシバシ写真も撮られている
「…うるさいなぁ…」
矜羯羅が溜息をついて言った
「おい…お前」
ハルが矜羯羅を呼んだ
「ミヨは渡さないからな」
「…よくわからないけど僕は負けないよ」
ハルのミヨは渡さない宣言に矜羯羅が不敵な笑みで返した
ガタガタと机を移動させて決戦の場を作ると矜羯羅とハルが席に着いた