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島原あゆむ
島原あゆむ
novelistID. 27645
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【第四回・参】恋のタコヤキ合戦

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ゆっくり手を頬に添えるとカチャリと手首にはめた輪がぶつかって音を立てた
お決まりの人を見下しているようなポーズ
そしてやっぱり口元には笑み
「…んがら…」
頭をさすりながら制多迦が名前を呼んだ
「だから一緒に行動しろっていったのに」
頬に手を当てたまま矜羯羅が呆れたように笑った
「きょんがらさん!!」
やっぱり上手く名前がいえない悠助が矜羯羅に駆け寄る
「悠助…僕は【こ・ん・が・ら】なんだけど」
にっこり笑って一言一言区切りながら自分の名前を悠助に教える
「こ…んがら…」
悠助が繰り返す
「ハイ、言ってみて」
しゃがんで悠助に言う
「…きょんがら」
「……」
そしてそのまま固まる
「…仕方ねぇよなすっげぇ言いにくい名前してるし」
京助が言った
「…早口言葉になりそうだよな…」
坂田も言った
「絶対早口で言ったらカムって」
浜本も言う
「言いにくいナァ」
三人がハモって言った
「…人の名前にケチつけないでくれる?」
矜羯羅が微笑みながらでもどこかムカッときているっぽく言った
「矜羯羅こんがらがってころがりおちてこんがらがる」
京助がボソッと言う
「おお!! いいじゃんソレ!! こんがらきょ…」
「いや言えてねぇし」
京助の即席で作った早口言葉に挑戦した浜本があえなく撃沈した
「だーかーらー!こんがらこんぎゃ…こ…きゃ?」
坂田も挑戦してこれもまたあえなく敗れる
「…怒るよ?」
矜羯羅が笑顔のまましかしドスの聞いた声で言った
「アイツか…」
ハルがボソッと言う
「え? …そうだよ?」
ミヨコがソレに気づいて返事をした
「格好いいでしょ。…名前言いずらいっぽいけど」
チラッと矜羯羅のほうを見てミヨコが赤くなる
「きょ…こ…矜羯羅さんっていうんだ……言いにくいけど…名前わかって嬉しい」
そんなミヨコを見てハルが俯いた

「ハァーイ!! 皆さんリピーッアフターミ~ィ? 【矜羯羅こんがらがってころがりおちてきょんがらがる】!! OK?」
京助がネィテイブなエセ外国人になってレクチャーし始める
「先生言えてません」
本間が突っ込んだ
「ハァィそこ!! 突っ込まナァ~ィ」
京助が本間を指指して言うとスコーンという小気味いい音が自分の後頭部から聞こえその直後ジンジンと痛み出した
「本気で僕を怒らせたい? 京助」
振り向くと【エェ加減にせんかワレ】オーラをかもし出しながらも矜羯羅が笑顔で指を弾いている
どうやら高速で玉を飛ばしたらしい
「…指パッチン上手いなアイツ…」
浜本が感心して呟いた
そして矜羯羅がもう一回指を弾くと今度は制多迦の額に玉がヒットする
「…りがとさん」
制多迦が額をさすりながら矜羯羅に言う
「…以心伝心してるなお前の従兄弟(仮)達…双子か?」
坂田が後頭部を押さえてしゃがんでいる京助に聞いた
「知るかッ;」
涙目で京助が怒鳴った横をハルが無言で通り過ぎ矜羯羅の前で止まった
「…ハル?」
ミヨコがハルの名前を呼んだ
「…何? 君…」
矜羯羅が頬から手を離し腕を組んでハルを見た
矜羯羅より背の高いハルは矜羯羅を少し見下ろすようにして黙って見る