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島原あゆむ
島原あゆむ
novelistID. 27645
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【第四回・弐】召しませ玉子酒

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ざく

「あ」
ヒマ子と京助が同時に声を出した
緊那羅が蹲って震えだした
さっきヒマ子の放った種が刺さった畳をモロに緊那羅が踏み種が足に刺さったらしい
相当痛かったのか声も出さずただ震えている緊那羅に京助が静かに近づいた
「…お前実は馬鹿だろ」
足を抑え目を潤ませている緊那羅に京助が言った
「…京助…」
潤んだ目のまま緊那羅が京助に顔を向け
「…京助に…」
唇を震わせながら何かを言おうとしている
「馬鹿京助に馬鹿って言われたっちゃー!! 私は馬鹿以上の馬鹿なんだっちゃ----!!」
「オイコラ;」
またも声を上げて泣き出した緊那羅に京助が関西突っ込みをする
「だから【宝珠】もないんだっちゃー!! 京助の馬鹿----!!」
「いやソレと俺の馬鹿って関係あるのか?;」
京助の言葉に緊那羅が泣き止む

「関係ないっちゃ。私が未熟だからまだないだけだっちゃ」
さらりと何事もなかったにかのように緊那羅がいった
「未熟? お前が?」
京助が聞き返す
「そうだっちゃ。私はまだ未熟だから【宝珠】がないんだっちゃ」
緊那羅が肩を落とす
「【宝珠】があれば【天】とこっちの扉も自分で開けられるし…なにより強くなれるんだっちゃ」
「へぇ…だから鳥類が必死こいて探してたのか…」
鼻をすすりながら京助がヒマ子を見た
ヒマ子の鉢の中には迦楼羅(かるら)の【宝珠】が埋まっている
それでヒマ子が動いているのだった
「…強くなれば…京助も悠助も守れるっちゃ…私…ふ…ぇぇええええ」
緊那羅が再び幼稚園児泣きをし始めた