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島原あゆむ
島原あゆむ
novelistID. 27645
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【第四回・弐】召しませ玉子酒

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緊那羅の声にハッとして布団をはぐった
「…寝てた…っちゃ?」
湯気の立ち上るコップを持った緊那羅が戸口に立っていた
二つもっていたうちの右手のほうのカップを京助に手渡すと緊那羅が布団の横に腰を下ろした
「玉子酒。ハルミママさんが熱いから気をつけて飲めって言ってたっちゃ」
体育座りの様に膝を抱えて座った緊那羅が玉子酒を息で冷ましはじめた
「そんな子供じゃねぇんだからんなこと言わなくてもわかってるっつーの;」
京助も鼻をすすりながら玉子酒に息を吹きかけた
「…コレ…【ソーマ】に似てるっちゃ」
玉子酒を一口飲んだ緊那羅(きんなら)が呟いた
「…ソー…マ……あぁ!! 思い出した!!」
京助が大声を上げると緊那羅が驚いて目を丸くした
「あのクッソ不味いヤツ! 乾闥婆のもってただろ?」
京助の問いかけに緊那羅はまだ目を丸くしたままコクリと頷いた

「一体何なんだ? その【ソーマ】って」
ズッと玉子酒を一口飲んで京助が聞く
「【ソーマ】は…薬…みたいなものだっちゃ…私は【ソーマ】を使ったあといつも気持ち悪くなるんだっちゃ;」
緊那羅が苦笑いを浮かべる
「そして…普通の人には…何の効き目もないらしいっちゃ」
付け加えた一言はかなり小さかった
「ふぅん…【ソーマ】ねぇ…」
だいぶ冷めた玉子酒を京助が一気に飲み干した
それを見た緊那羅もぐいっとカップを傾けて飲み干す