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島原あゆむ
島原あゆむ
novelistID. 27645
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【第四回・弐】召しませ玉子酒

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「明日は学校休みなさいね」
母ハルミが振り返っていった
「な…明日はダメだっ; 絶対休めんっ!; …ひくしょっ!!」
掛け布団を押し上げて京助が起き上がる
「寝ないとダメっ!!」
起き上がった京助の上に悠助がのしかかる
「珍しいわね学校いきたいとか」
「明日最終打ち合わせなんだよ;」
「最終打ち合わせ?」
悠助に布団に強制的に寝かされ(倒され?)た京助に緊那羅がきいた
「文化祭。ソレのクラスの屋台の最終打ち合わせあんだよ…俺焼き係りだから絶対参加なんだ」
京助が悠助を自分の上からどかす
「総合で勝てば焼肉食えるんだぞ!? 全学年対抗だから気合いれねぇと勝てねぇんだ」
鼻水をすすりながら京助が燃えている
「…なら…きちんと寝て明日までに熱下げるのね」
母ハルミが呆れ顔に笑顔を浮かべて言った
「ホラホラ悠ちゃんも緊ちゃんも風邪うつったら大変よ? さぁ出て出て」
母ハルミが言うと悠助が立ち上がって戸口に小走りで向かい振り返って
「あとでお見舞いに来るからね?寝ててね?」
そう言って部屋から出ていった
「…ちゃんと寝てるんだっちゃよ?」
緊那羅も立ち上がり笑ってそういうと部屋から出て行く
「後で玉子酒作って来るから」
母ハルミはそういいながら戸を閉めた

上を向くと鼻が詰まって息苦しくかといって横を向くと鼻水が垂れてくる
そして何より暇でしかたない
「こーゆー時ってどうして眠れないものかね;」
もぞもぞと布団にもぐりこんで目を閉じても眠気が来ない
そして浮かんでくるどうでもいいようなくだらない考え
アトムはどうして十万馬力なのかとかどうして世界制服を目論む悪者は東京しか襲わないのか別に田舎からせめてもいいと思うとかそんな本当にくだらない事を京助の頭は考えていた
そしてソレがだんだん【=(イコール)】式に換算されてくる

『悪者=敵=矜羯羅=でも今は敵じゃないらしい』

この間…乾闥婆のエプロン姿がちょっと笑えたあの日
迦楼羅の腹の虫が絶好調だったあの日
自分を叩けと言って来る制多迦にあったあの日
緊那羅を攻撃してきた時とは雰囲気が違った矜羯羅にあったあの日
そしてその矜羯羅が言った一言

『まだ【時】がきていないからね』

【時】…そういえば迦楼羅も言っていた

『お前達兄弟は何としてでも【時】までに守らねばならないのだ…そして【時】が来たならば、更に守ら
なければならない…』

「…【時】ってなんなんだ…?」
【時】と自分と悠助の関係式がまったく成り立たない
でも少しだけわかったこと
「…【時】が来なければ…あいつらは敵じゃないんだよな…」
「京助?」