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島原あゆむ
島原あゆむ
novelistID. 27645
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【第四回】わき道・寄り道・帰り道

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「…っぱり…君なんだね」
「…?」
タカちゃんが小さく言った一言に悠助は首をかしげる
「…んでもないよ」
フッと笑ってタカちゃんがまた欠伸をした
「…めん…またお願い」
タカちゃんが人差し指を立てて言うと悠助がまた目を瞑って手を振り上げる

パチーン!!!

という音が再び響く
そして頬をさすりながらタカちゃんが悠助を撫でた
「…やまらなくていいから」
叩くたびに謝る悠助が謝る前に止めて笑った
降っているか降っていないかがわからなくなってきた雨の雲間から夕焼けが現れ辺りをほんのり赤く染めていく
「タカちゃんの髪赤くてきれいだね」
元々薄朱色のタカちゃんの髪に夕焼けのほんのり赤が加わって鮮やかさを増した髪を悠助が触って笑った
「…かくて綺麗…?」
自分の髪を引っ張り目の前に持ってきてタカちゃんが呟く
「うん!! 綺麗!!」
まじまじと自分の髪を見ていろタカちゃんに悠助が笑顔で言う
「…うすけは赤が好き?」
タカちゃんが聞くと悠助は笑顔のまま頷いた
タカちゃんが嬉しそうに笑った
「…うすけなら…好きでいてくれるかもしれないな僕を」
「? 僕タカちゃん好きだよ?」
小さく言ったタカちゃんの言葉に悠助が笑顔のまま言った
「…ょうすけと僕どっち好き?」
タカちゃんが笑いながら自分を指差して聞いた
「え? うーん…比べられないよ。僕はみんな同じくらい好きだもん。京助もタカちゃんも緊ちゃんもヒマ子さんも…(略)」
指を折りながら次々に名前をあげていく悠助から顔をそらしほんのり赤く染まった辺りを見たタカちゃんの顔は少し険しかった