小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」
島原あゆむ
島原あゆむ
novelistID. 27645
新規ユーザー登録
E-MAIL
PASSWORD
次回から自動でログイン

 

作品詳細に戻る

 

【第四回】わき道・寄り道・帰り道

INDEX|2ページ/19ページ|

次のページ前のページ
 

「おかえりなさい」
ヒマ子を引き剥がしていた京助の耳に聞こえた一言
顔を上げると京助が止まった
「…なんつー…格好してんだお前…;」
声の主は乾闥婆だった
「こんな格好ですけど?」
【なんつー格好】、京助が見た乾闥婆はエプロンをしいつもの帽子の代わりに手ぬぐいで姐さん巻きをした格好だった
「…一体何してんだよ…;」
「この格好で料理以外何するんですか」
乾闥婆がいつもの口調で京助に答えた
「迦楼羅が…」
「迦楼羅が竜田揚げが食べたいって言ってるらしいんだっちゃ」
緊那羅がタオルを持って話しに入ってきた
「何があったのかわかりませんが…言い出したらきかないもので」
乾闥婆が溜息をついた
「それでハルミママさんに作り方教えてもらいにきてるんだっちゃ」
緊那羅が京助にタオルを渡すとヒマ子から恋敵的視線を向けられた
「【天】にはないものですからね。まったく…」
妙にエプロン姿が似合う乾闥婆を見て京助が口の端で笑うと乾闥婆に睨まれ顔をそらした

「それで悠助が肉買いに行ったのか」
タオルで髪をワシワシ拭きつつ京助が言うと緊那羅が頷いた
「ついてくっていったんだっちゃ だけど…」
「来るなって言われたんだろ? 俺も言われたし…さっきそこで」
京助はだいぶ水気の取れた頭を振って拭いたタオルを首にかけ家に上がる
「まぁ京助よりしっかりしてますし大丈夫でしょう」
乾闥婆がさらりといった
「そうだっちゃね…遅いって思ったら迎えに行けばいいっちゃね」
「お前らな;」
乾闥婆の言葉に同意したように話す緊那羅
「しっかりしていなくとも私は京様を愛しておりますわ…なんちゃって…キャー!!!! 私ったらッ!!」
ヒマ子が一人盛り上がっているのを懸命に見ない聞かないふりをして京助は部屋へと早歩きで向かった