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島原あゆむ
島原あゆむ
novelistID. 27645
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【第四回】わき道・寄り道・帰り道

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「矜羯羅。さっさとその眠そうな人連れて帰ったらどうですか?」
悠助の前に立ち乾闥婆が笑顔で矜羯羅に言った
「そっちこそ。さっさとその若年寄連れて帰ればいいんじゃない? ご老体に無理させちゃ駄目だと思うんだけど?」
矜羯羅もにっこりと笑いながら乾闥婆に言った

ピシッ

という空気の凍る音が聞こえた様な気がして辺りの空気が変わった
明らかにさっきまでとは違う重苦しいというか息苦しいというか…とにかく怖い
迦楼羅がそぉっと悠助の手を引っ張って乾闥婆から離れた
「…ょうすけ逃げたほうがいい」
「へ? ぅっわ;」
制多迦も京助の腕を引っ張ると矜羯羅から離れて鉄棒のところまで避難した
「京助ー」
互いに笑顔を向けつつもオドロオドロした空気に包まれ一触即発といった雰囲気の乾闥婆と矜羯羅を黙ってみていた京助に悠助が駆け寄る
「けんちゃんとこ…きょん…」
「矜羯羅」
悠助はまだ上手く【矜羯羅】と言えないらしい
「けんちゃんとこんがらさん喧嘩してるの?」
悠助が京助を見上げて聞いた
「…つもの口喧嘩…顔をあわせるといつも始まるんだ;」
制多迦が言うと
「ワシらまでとばっちりを食らわされるからな…; 逃げるに限る」
迦楼羅が腕を組み今だ笑顔で睨みあう乾闥婆と矜羯羅を見た