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島原あゆむ
島原あゆむ
novelistID. 27645
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【第四回】わき道・寄り道・帰り道

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スコーン という小気味いい音が京助の耳に届いた
「…なにしてるんだよ」
その後に聞こえた京助にとってちょっと、いやかなり聞きたくないような声
「だから待ってろっていったのに」
パシャンと水溜りに足を入れた音がした方向を振り返る
「…んがら…」
未確認亜高速飛行物体がヒットし赤くなっている額をさすりながら制多迦が名前を呼んだ
「久しぶり…」
矜羯羅がにっこりと京助に笑いかけた
相変わらず口元には笑みを浮かべながら矜羯羅が京助に近づいてきた
「安心しなよ。何もしないから…」
エリマキトカゲに例えるとエリを元祖ツッパリのようにビンビンに立てて威嚇しているといったような京助をみて矜羯羅が笑った
「…まだ【時】がきていないからね」
ポンと京助の肩を叩き横を通り過ぎると矜羯羅は額をさすっている制多迦(せいたか)に手をさし伸ばした
制多迦をひっぱて起こしている途中で矜羯羅が迦楼羅と乾闥婆、そして悠助をチラリと見た

「その子が【栄野悠助】?」
矜羯羅が悠助と京助を交互に見てフッと笑った
「なんだよ;」
また小馬鹿にされているのかと思い京助が矜羯羅に言った
「別に?」
「矜羯羅!!」
にっこりと笑いながら言葉を返した矜羯羅に乾闥婆に前髪を引っ張られながら迦楼羅が怒鳴った
乾闥婆に前髪を引っ張られながら迦楼羅が矜羯羅を睨む
「…その格好で凄まれても逆に笑えちゃうんだけど」
確かに。
「や…やかましい!! たわけッ!!!;」
クスクスと笑う矜羯羅に迦楼羅がさっきより大きな声で怒鳴った
「…んがら…お願い」
制多迦が矜羯羅の肩を突付いて言うと矜羯羅が制多迦に裏手拳を食らわせる
「…りがと…ん~…」
頬をさすった後伸びをして制多迦が肩をぐるぐる回した
「今までよく眠らなかったね…自分で叩いたりしてたの?」
「…うすけに起こしてもらってたんだ」
制多迦が言うと矜羯羅が悠助を見た
きょとんとしている悠助に矜羯羅がにっこり笑いかけると悠助も笑い返した