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島原あゆむ
島原あゆむ
novelistID. 27645
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【第四回】わき道・寄り道・帰り道

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迦楼羅の言葉が迦楼羅の腹の虫の声にかき消された
「…るら…タイミング悪すぎ」
制多迦が迦楼羅に突っ込んだ
悠助の目に涙のダムが出来始めた
「ごめんねごめんね…っ」
悠助の目のダムが決壊して涙が溢れ出した
「…かしたなーかしたー」
制多迦が泣き出した悠助の頭を撫でながら迦楼羅を指差して軽くリズムをつけて言った
「や…っ…やかましいっ!!;」
おろおろしつつも制多迦に向かって迦楼羅が怒鳴ると悠助が声を上げて泣き出した
「悠!! …おのれはなに人の弟泣かせとんのじゃ」
泣き声を聞きつけたのか京助が公園に駆け足で入ってきた
そしてペシっと迦楼羅の頭を叩くと悠助と迦楼羅の間に立った
「何をする! たわけっ!!;」
「たわけはどっちだ!! ったく…おぉおお!?;」
叩かれたことに抗議してきた迦楼羅に言い返しながら悠助を振り返った京助が驚いて声を上げた
「こ…矜羯羅!?; …って…ずいぶん日に焼けましたね? 髪も染めちゃって…イメチェンですかい?;」
まじまじと制多迦を見ている京助のパーカーを悠助がくいくいと引っ張った
「悠?」
「…タカちゃんと…一緒に探してたから…僕…ごめんなさい…」
京助が自分を探しに来たのだとわかった悠助が謝った
「…まぁ…無事だったみたいだし…って…タカちゃん?」
溜息を吐きながら悠助を撫であきれたように笑った後ふと【タカちゃん】という言葉に京助は反応した
「タカちゃん…って…」
「…く」
制多迦が『ハイ』と手を上げながら立ち上がった
「…矜羯羅…じゃないの…か?;」
悠助を自分の後ろに庇いつつ京助が制多迦に言った
「…んがらを知ってるんだ? どこにいるか知らない?」
確かに目元は似ているものの明らかに雰囲気が違う
「そいつは制多迦だ」
迦楼羅が京助の前に立ち制多迦を睨む
「せい…たか…後ろにノッポとかつけたくなる名前だな…」
京助がボソっと言った
「こん…こ…」
「こんがら」
悠助が【矜羯羅】と言うに言えないでいるのに気づき京助が【こんがら】と大きめの声で教える
「こんがらさんって人探してたの?」
まだ多少泣いた後のしゃっくり地獄が後を引いてる悠助が制多迦に聞いた
「…ん、そう」
制多迦がコクリと頷いた
「ってことは…やばくないか?;」
京助は【あんなヘンテコリンな出来事】を思い出していた