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島原あゆむ
島原あゆむ
novelistID. 27645
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【第四回】わき道・寄り道・帰り道

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「…るら…ヤキモチ?」
「なっ…!?;」
プっと噴出しながら制多迦が迦楼羅に言うと迦楼羅が目を見開いて固まった
「…やきもち?」
悠助が制多迦を見上げそれから迦楼羅を見る
「…ぼし?」
制多迦がクスクス笑いながら悠助の頭に手を置く
きょとんとして悠助が首をかしげると迦楼羅の肩が震えだした
「…誰が…誰がヤキモチを焼いているのだ!!!; たわけ-----ッ!!」

ぐ--------…

迦楼羅が叫んだのと同時に何か別の音が聞こえた
「…んの音…?」
きゅるるるる…
制多迦と悠助の視線が迦楼羅の腹に集中した
「…なか減ってるの? 迦楼羅」
「かるらんおなか減ってるの?」
悠助と制多迦が同時に聞いた
「し…仕方なかろう!! 乾闥婆が遅かったんだッ!!;」
迦楼羅が腕を激しく上下させて弁解の行動をした
「あ…そっか僕がお肉持って帰ってないから…ごめんねかるらん…」
悠助が手に持っていた袋に気づいて迦楼羅に謝った
「え…あ…;」
しゅんとなった悠助を見て迦楼羅がうろたえていると
「…うすけは悪くないよ。僕が探しているの手伝ってくれていたんだから。悪いのは僕だよ」
悠助の頭を撫でて制多迦が悠助を慰める
「…ワシが悪者なのか?;」
その様子を見ていた迦楼羅がボソッと呟いた
「ごめんねかるらん…」
「あ…謝るなっ;…別にお前を責めているわけでは…;」
俯いて悠助が謝ると迦楼羅が慌てて悠助に言った
「…るらが悠助泣かせちゃった」
「まだ泣いておらんわ!! たわけっ!!!;」
しゃがんで迦楼羅と悠助の視線にあわせると制多迦がポフポフと迦楼羅の頭を再び軽く連打した
「ごめ…」
ふぇっと息を吐いて悠助が目を潤ませると迦楼羅と制多迦がぎょっとして慌てだす
「…うすけ; 誰も怒ってないから大丈夫だから;」
「そ…そうだ大丈夫だぞ!! 栄野弟!!;」
必死に泣かせないように迦楼羅と制多迦は悠助に『大丈夫』を連呼する
「でも…僕のせいでかるらん…おなか…っ」
目をこすって悠助が迦楼羅を見る
「ワ…ワシならだいじょ…」

ぐぅ~…きゅるるっる…