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島原あゆむ
島原あゆむ
novelistID. 27645
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【第三回・四 】学び舎の誘惑

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登校時間終了10分前を知らせるチャイムがやっぱり調子が悪そうに鳴り響いた
校内は朝からバタバタしていた
文化祭準備期間特別授業時間割ということで朝のHRもない
「じゃ俺部門の方に顔出してくるからハンコ押しておいてくれ」
玄関で上履きに履き替えながら京助が坂田にハンコを渡す
HRがないということは出欠確認もしないということになり
生徒は各自名前の書かれた小さい長方形型のハンコを教卓の上にある紙に押すことによって出席、ということになる
「了解。緊那羅は京助についていくのか?」
坂田が京助のハンコをポケットにしまいながら玄関内をきょろきょろ見ている緊那羅に言った
「あ…えと…;」
焦った様に緊那羅は京助を見た
「ついてくるならついてきていいぞ」
京助がカムカムと手招きすると緊那羅が小走りで京助に駆け寄る
「…しょっぱいよなぁ…」
南が腰に手を当てて口の端で笑った
「お前らもな」
京助が坂田と南を指差して同じく口の端で笑うと坂田が南を押し離した

「どこに行くんだっちゃ?」
生徒で賑わう廊下を歩く京助に緊那羅が聞いた
「視聴覚室、一応俺ゲーム担当だから」
階段を上り三階にあがる
廊下の壁のあちこちに出店や出し物のポスターが貼られていた
「楽しそうだっちゃね京助」
緊那羅が京助を見て言った
「そうか? まぁ…授業やってるよりは楽しいわな。俺さ当日ってよりも準備期間が好きなんだよな。学年とか関係なくワイワイやるのがさ」
京助が笑いながら話すと緊那羅も笑った
「お!! 彼女か? 京助」
ダンボール箱を抱えた男子生徒が声をかけてきた
「ちゃうちゃう;」
京助が手を振って否定すると男子生徒は『照れるなよ』と言い去っていく
視聴覚室に着くまでにそんなことを男子生徒女子生徒問わず何回も言われた

「…私はここで待ってるっちゃ」
視聴覚室のドアに手をかけた京助に緊那羅が言った
「?なしたよ」
苦笑いを浮かべる緊那羅に京助が聞く
「また言われたら京助困るっちゃ;」
「また…ってあぁ;彼女ってヤツか…別にどうでもいいんだけどな俺は。でもま…入りたくないならちょこっと待っててくれ。すぐ来るから」
京助はそういうと教室内に入り戸を閉めた
「よっス」
カーテンを閉めて真っ暗にした視聴覚室のでっかいスクリーンにはリズムを取りながら踊るウサ耳と猫耳のキャラクターが映っている
京助はなにやら調整をしている部門員に近づいた
「はよっス先輩。他のヤツらは?」
「でっかいアケコン借りれないか最終交渉に行ったりクラスの方行ったりしてる…俺もコレの音量調節したらクラスの方行くつもりだ」
先輩と呼ばれた男子生徒がつまみを回すと視聴覚室内に音楽が流れ始める
「いい感じっスか先輩」
京助が机の上にある9個のボタンが並んだコントローラーの真ん中の赤いボタンを押した

ジャン!

という音とともに画面が切り替わる
「ためしにお前ちょっとやってみろ」
先輩と呼ばれた男子生徒が京助に言った
「んじゃま…軽くノーマルモードでー…」
京助は鞄を横に置くと椅子に座り巨大なスクリーンと向き合ったその時
「杉山-----!!!!;」
という叫び声とも聞き取れる声と何かが派手にぶちまけられた音が廊下から聞こえ先輩と呼ばれた男子生徒が電源を切った
「…何だ…?」
静かになった視聴覚室内に廊下の騒ぎ声が微かに流れ込んでくる
「…何スかね?」
京助が立ち上がり戸に近づく
戸に手をかけて京助は何かを思い出して勢いよく戸を開けた
散乱している資料と思われる紙やノート類
左方向を見たり指差している生徒達
そしてスカートの後ろを押さえ震えている緊那羅こと金名羊子
「…しょっぱなからやっちゃったみたいですな…」
京助が生徒達と同じく左方向を見ると友達にガクガクゆすられながらも白目をむいている男子生徒の姿があった
「きょ…」
緊那羅が京助を見つけた
「…何やってんだ;」
京助が緊那羅の手を引っ張って視聴覚室に入れる
「だってっ!! アイツ私の…ッ!!」
引き入れるなり緊那羅が赤い顔で大声を上げそして
「…お…尻撫でた…っちゃ…っ」
続きを小声で言った
京助がコケた