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島原あゆむ
島原あゆむ
novelistID. 27645
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【第三回・参】無視から始まるサバイバル

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「…なんだかよくわからんが俺緊那羅ムカついてきた」
しばし想い出に浸った後南が言った
「俺も」
中島が手を上げる
「…アイツの後始末…俺等がしたんだよな…」
坂田が最後の組員を蹴り飛ばした緊那羅を見て言うと3馬鹿の額に同時に『怒』マークが出た
スパパパン!!
「な…何するっちゃッ!!;」
緊那羅はいきなり3馬鹿に丸めたノートで連続攻撃を後頭部に受けた
「いや何、ちょっとした甘酸っぱく塩辛く太田胃酸ッぽい匂いの想い出のお返しだと思ってくれ」
坂田が片手を挙げて嘘っぽく『ハハハハ』と笑いながら言った
「太田胃酸はイイ薬です」
南が腕を組んで頷いた
「…意味わかんないっちゃ…;」
「君はまだわからなくていいんだ…太田胃酸…いい薬だ…匂いが後引くけどな…」
中島が後頭部をさする緊那羅の肩を叩いた

バタバタと廊下を誰かが走る音で京助がうっすらと目を開けた
「イッ…て…;」
体を動かすと腹部に痛みが走った
手と足をロープで縛られて痛む腹をさすることもできない
「そうか…殴られたんだっけ…腹…」
遅刻して拉致されて殴られて監禁
「…なんだかヒロインになった気分…;」
京助は天井を見上げた
室内灯の紐がゆらゆらと揺れている
部屋の外がやけに騒がしいが確認することもできない
京助が大きく溜息をついた時部屋の戸が開いた
「京助----!! どこだ----ッ!!」
坂田が大声を上げながら片っ端から襖や障子を開け京助を探す
南、中島と緊那羅はそんな坂田についていく
一応他人のお宅ということで勝手に部屋を開けるような事はしないらしい
「ここで客間ラストだ…」
ラストの客間にも京助の姿はなかった
「一体何処に連れて行かれたんだ? 北朝鮮か?」
南が顎に手を当てて言った
「ウチは北朝鮮とかかわりねぇぞ;」
坂田が南に突っ込む
「後いそうな所わかんねぇのか坂田」
中島が坂田に聞いた
「…大広間か離れか…事務所かトイレか風呂か物置か…」
「ありすぎ」
ブツブツといそうなところ(というか行ってない所)を上げていく坂田に南と中島が突っ込んだ
「とにかく…探すっちゃ」
緊那羅が歩き出すと3馬鹿も後に続いた
緊那羅がほぼ全員組員を伸してしまったためか人の気配がない

チャ~ンチャ~ララ~チャ~ンチャ~ララ~♪
 
「…坂田…」
坂田の胸ポケットから聞こえてきた葬送行進曲
通話ボタンを押し坂田が携帯を耳に当てる
南、中島、緊那羅が坂田に注目した
「…いい加減にしろよ」
坂田が携帯の向こうに静かにでも確実にキレている様子で言った
携帯の向こうでなにやらいっているらしいがよく聞こえない
坂田が携帯をいきなり切ると走り出した
「おぃ!! 坂田!!」
いきなり走り出した坂田を三人が追いかける
靴下のまま庭に降りて庭を斜め横断して近道をする
庭にあるこけ落しがカコンとなった
ある襖の前で坂田が止まった
「…ここ…」
追いかけてきた緊那羅も足を止める
「…大広間だ」
坂田が襖に手をかけた
少し遅れて追いついた中島と南も足を止めて襖を見る

ガラッ!!!