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島原あゆむ
島原あゆむ
novelistID. 27645
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【第三回・参】無視から始まるサバイバル

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ゴスッ っと言う音と共に南を捕まえていた吉川の力が緩んだ
吉川の腕から逃げ出した南が振り返ると緊那羅が空中で一回転して着地した
吉川はそのまま後に倒れた
「…京助はどこだっちゃ」
緊那羅が坂田の腕を掴んでいる組員に近づいていく
「…クソッ!!」
組員が坂田の腕を引っ張り出入り口から中に入った
「坂田!」
「待つっちゃ!!」
南と緊那羅が後追う
中島もニボシ (自転車名)と止めてその後を追った
「若捕獲!! 部外者進入!」
 「離せ!! 痛てぇ!!;」
組員が大声で叫んでいる
坂田はつかまれている腕を押さえて必死に逃げ出そうとしているがやはり力では大人にはかなわないらしくただ引っ張られていく
「…っんの…離せ----ッ!!;」
坂田が今までに無い大声を上げると ヒュン という風を切る音と バキっ という何かが何かに思い切りぶつかった様な音がして腕が離された
いきなりつかまれていた腕が離されて前につんのめった坂田を中島が支えた
「…な…んだ?;」
顔を上げた坂田は緊那羅にふんずけられて伸びている組員を見た
「…漫画みてぇだな」
後から追いついた南がボソリと呟いたのはたぶん自分達に迫ってくる大勢の坂田組組員を見てだろう
「若を捕まえろ!部外者は多少痛い目みせてでも追い返せ!」
「お前等! いい加減にしろ!」
坂田が中島に支えられながら向かってくる組員達に怒鳴ったが組員は動きを止めず、挙句走り出し3馬鹿と緊那羅に迫ってくる
緊那羅が踏みつけていた組員から足をどけて向かってくる組員達の方に体を向けた
「逃げろ!! 緊那羅!!」
「ばっ…お前が行ってどうするよ!」
中島の手を振り払って組員達に向かって行こうとする坂田を中島が止める
「俺がいきゃあ解決すんだ! 俺が…」

ヒュン! バキバキ!!

坂田が中島に向かって大声をあげているその後を何かがものすごい勢いで通過し植え込みに落ちた
「…お前等下がった方いいとおもうぞ」
南が二人を手招きする
「巻き込まれるで」
南の指差した方向を見ると緊那羅の回し蹴りが組員の顔に大当たりしている所だった
あの細い足の何処から大の大人がふっ飛ぶほどの蹴りが出るのか
組員の寄ってたかっての攻撃を軽く交わしてはほぼ一発で組員を伸していく緊那羅を3馬鹿は口を開けてみていた
「…キナラムちゃん強ぇえなぁ…;」
南が坂田と中島の傍まで来て言った
「…そういやぁ緊那羅って学校破壊してたよな…前田のヅラ飛ばしてたし」
中島が組員の後頭部に肘鉄を食らわせている緊那羅を見ながら思い出して呟く
「…その後こってり絞られたっけなぁ…」
坂田が空を見上げ遅くまで説教されたことを思い出した
ガスッ とか ゴリッ という物々しい効果音と組員の『グフ!』とか『ガハァ』とか言うむっさい声をBGMに3馬鹿は緊那羅とのファーストコンタクトを思い出していた