小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」

剣道部と風に揺れる相思花

INDEX|6ページ/30ページ|

次のページ前のページ
 

収納の外では

「え?絵美とか山神と一緒だと思ってたんだけど・・・」

「更衣室かなぁー」

「西篠君と山神も探してみて」

「いたらもっと騒いでるとおもうんだけど」

「ま。行ってみるか。」

2年の先輩達が更衣室の方へ向かう。

「どうする?」
少し悩んだあと、

「じゃー男子はトイレに行ってて清尾は道場の掃除してたってことにすれば?」
小西の提案にみんなが乗る。

「じゃあ私はてきとーにモップ持って掃除してる振りしとく。」

「おっけー。じゃあ俺らは一旦トイレ近くで時間潰しとくわ。」

笠間とのちょっとした打ち合わせのあと、男子は渡り廊下の向こうのトイレに向かった。私はモップを持って道場に入り前々から気になっていた埃の溜まった場所を掃除していた。
すると、道場のドアが開き、山神先輩が出てきた。

「あっ!清尾ちゃんこんなとこ居たんだ。あれ?笠間君とか見てない?」
いきなりの痛い質問で少し驚いたが、極力冷静を保って

「あー・・・。トイレ行きましたよ!」
と答え、なにも知らない振りをして尋ねた。

「山神先輩はどうしたんですか?」

「いやー。なんか一年皆居なかったから…。あっ多井が清尾ちゃんの事捜してたよ。」

「えっそうなんですか?多井先輩何処居ます?」

「更衣室じゃね?」

「ありがとうございます。」
モップを置いて、更衣室へと向かうすると、

「あっ!清尾ちゃん!!」

「多井先輩!どうしました?」

「どこ居たの?」

「えっと、道場の掃除を。」

「そっか~。お疲れ~。」

「いえ。」
すると後ろから大きなため息が、

「?」

振り返るとそこには西篠先輩が、

「どうしたんですか?」

「どうしたの?西篠君。」
すると少し迷ってから、

「メニュー消えたから何しよっかなーって」

「「あー。」」

「追い込みとかやる?」

「えっ。追い込みですか?」
「追い込みかぁ。」

正直やりたくなかった追い込みが出てきたからか、私も多井先輩も適当に誤魔化していた。