小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」

剣道部と風に揺れる相思花

INDEX|7ページ/30ページ|

次のページ前のページ
 



そんな時、
「追い込みは無理!!」

「あ。山神先輩。」
急に山神先輩が入ってくる、と同時に一年のみんなも後ろからきた。迅と笠間が西篠先輩に見えないようピースサインをしていた。

「てゆうかメニュー消したの誰だよ。」
ちょっと苛立ちの入った西篠先輩の発言は・・・

「あっ!そうだ!!今さっき笠間君と話してたんですけど。」
迅にあっさり切り捨てられた(というか切れ捨てた)。そして、迅と笠間が顔を見合わせ、

「部内で試合!」
「やりましょうよ!!」
ちょっといきなりの意見だったが、皆の反応はかなり良いものだった。

「いいじゃん。部内試合」
少し考え込んだあと

「いいだろ?蒼?」
話を聞いていなかったのか、きょとんとした顔をしている西篠先輩。

「おー!!いいじゃん!やろーよ西篠っ。」
絵美先輩のハイテンション爆発。不愉快そうに眉を寄せ呟く山神先輩

「うっせーロブスター。」

カチン。そんな音が絵美先輩から聞こえた気がした

「山神!!!」
また始まった剣道部内恒例の喧嘩。こうなったら一年も呆れ顔で先輩達を見るしかない。そんなとき、

「じゃ、やるか。」
西篠先輩の一言で喧嘩も止まる。

「え?何が?」
戸惑う山神先輩。

「おっしゃッ!」
一年のみんなでハモった。すると・・・

「へ?そんなにお前ら追い込みやりたいの?」
そう。西篠先輩は話を聞いていなかった。でもそれに気がついていたのは何人居たか。

「「はぁ?」」
先輩後輩関係なく、素直な抗議の声。さすがの西篠先輩でもシュンとなったのが目に見える。

「で、何やんの?」
あの西篠先輩から自発的にこんな言葉が出るのは1年に何度あるのだろうか。

「部内試合だよ。」
珍しがりながらも、嬉しそうに答える山神先輩。
ふぅ。と小さなため息。そのあと


「よし。準備するぞー」
その言葉に、パッとみんなの顔が晴れる。

「審判とかどーする?」
横山先輩が審判旗を手に西篠先輩に尋ねる。

「んー。空いた2年でてきとーに。」
溜め息混じりに対応する西篠先輩。どこか物思いに耽っているような、なんだかもやもやするような、そんな感じがした。

「ハイ!私計時ね!!」
勢い良く立ち上がった沖名先輩の目はいつに無く輝いていた。

「んー西篠君が主審でー・・・」
沖名先輩がいつの間にか決定権を握っていた。反論をする余地は…

「瑠里ちゃんが試合だからっ!余りが色川と凛ちゃんかぁ。じゃ二人が副審だね!」
全く無いまま試合が始まるのだった。