エベレストは昔海だった(コラボ作品)
2011年9月8日、きょうとあすは休養日とした。
上半身裸になって久しぶりに太陽を浴びた。紫外線がよくないのは分かるが、これから1ヶ月間は太陽を拝めないから構わないだろう。ただ眼だけは大切にしなければならない。雪目にでもなれば、計画はお釈迦となる。洞窟の中ではきっと瞳孔は開ききっていたはずだ。
両腕を上げて思いっきり伸びをした。
ああァ 空気がうまい!
空気は薄くても外気は気持ちがいいものだ。
登山シーズンに入っているので、若者たちはエベレスト登山のベースが置かれている地点まで行ってくると、出かけていった。若さの持つエネルギーは羨ましい限りだ。三上もまだ若いもんだなと感心する。学生たちに負けていない。
彼らは客人を連れて帰ってきた。イギリスの遠征隊のポーターのひとり、タァーという男である。
我々の進捗状況は、ナムチェ・バザールにいるラクパ・シェルパに届くようにしている。
タァーがインドにいる時、そこで知り合った日本人が好きになり、ラクパから日本人の洞窟探検隊の話を聞いて、どうしても会いたくなって土産まで持ってやって来たのだ。
タァーも交えてにぎやかな夕食会となった。少し寒いが、ダウンを着こんで、満天の星を見ながらの飲み会だ。
今夜は夜ふかししよう、差し入れの酒を飲みながら・・・久し振りの酒である。
そうしてタァーの話に耳を傾けた。
作品名:エベレストは昔海だった(コラボ作品) 作家名:健忘真実