小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」

エベレストは昔海だった(コラボ作品)

INDEX|10ページ/35ページ|

次のページ前のページ
 

 5日目。
 昼夜はないので時計でしか時間経過が分からないが、体のリズムとは不思議なものである。空腹や眠気は、自然とほとんど同じ頃にやってくるようだ。
 寒いというほどではないが、宇宙食ばかり続くと、火を使った温かい料理を食べたいものである。食べることは腹を満たすだけではなく、それ自体を楽しむためのものだと分かる。4人で話をしながら食べていても、すぐに食べ終えてしまうからなぁ。
 タァーさんとの酒盛り、もうずっと昔のような気がする。

「おい、風を感じないか!?」
 先頭を歩いていた三上が立ち止まって周囲に目をやっている。
「ホントだ。きっと地上に通じてるんだぜ」
 吉田は指につばを付けて上にかざした。
「こっちだ!」
 吉田が向かった先には小さなトンネルらしきものがあった。這いつくばって通れるぐらいの穴である。
「中に入ってみてきます」

 しばらくすると吉田の声が響いてきた。
「おお〜ぉいぃみぃんな〜ぁ、荷物ぅを〜ぉ置いぃて〜ぇ来てぇ〜くだぁさい〜ぃ」

 私はお尻を壁にひっかけながら、下から押してもらい、上から引っ張られて、やっとトンネルを抜けた。
「こりゃ・・・こりゃこりゃこりゃ」
 言葉が出てこない。照らし出された物を見て目をみはるばかりだ。