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島原あゆむ
島原あゆむ
novelistID. 27645
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【第三回・弐】玉。

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ぐきゅ~くるるる…

迦楼羅の腹の虫が再び鳴いた
「…食いモン何かなかったっけか?;」
あまりにも体とは不釣合いな腹の虫の鳴き声に迦楼羅に何か食い物を与えようということにした京助と3馬鹿は辺りを見回したが先ほどの迦楼羅がキレた際の大騒ぎでしっちゃかめっちゃかになっている室内から食い物を探し出すのは…
「お、飴発見!」
サクマ式ドロップの缶を中島が発見した
「ろろっぷ、ろろっぷ~!」
坂田が再び座布団を被って映画のワンシーンを演じている
中島が缶を拾い上げ蓋を取ろうとすると
「駄目~!」
部屋に丁度入ってきた悠助に止められた
両手でなにやらお盆を持っている
匂いからしてこれは
「…昨日の晩飯の残りか」

きゅるるる~くぅ~…

匂いに反応したのか迦楼羅の腹の虫が『早く食わせろ』とばかりに大きく鳴いた
「はい、かるらん!」
迦楼羅にお盆を押し付けて悠助はにっこり笑うと続いて中島から缶を取り上げた
「これ、僕の宝物なの!勝手に開けないでよぅ!」
と言って怒った

「…食べないんだっちゃ?」
お盆とにらめっこしている迦楼羅に緊那羅が声をかけた
「…何だコレは」
お盆の上の皿にのっているのは昨日の栄野家の食卓の残り物を電子レンジで温めなおしたものだった
きちんと爪楊枝もついている
「毒なんか入ってないっちゃ。私も昨日食べたし」
緊那羅を横目で見ながらツンツンとしばらくソレを爪楊枝で突付いていた迦楼羅だったが腹の虫を鳴きやませるために意を決して口に入れた
「…なんという料理だ?」
口に入れてしばらくしてから迦楼羅が聞いてきた
「竜田揚げ。美味いか?」
京助が横から口を挟む
迦楼羅がコクリと頷いた

「ケフッ」
迦楼羅が竜田揚げを綺麗に平らげ軽くゲップをし何もなくなった皿を黙って見ている
「…満足したか? 鳥類」
京助が声をかけると迦楼羅が皿を差し出して
「もう無いのか?」
と言ってきた
どうやら竜田揚げがお気に召したらしい
「それで終わりなんだ~…ごめんねかるらん。でもでもね!またハルミママに作ってもらうから! 今日頼んでみるから!」
悠助が【宝物】が入っているという缶を持って迦楼羅に謝った
そんな悠助を迦楼羅は少し驚いた顔で見ていた
「悠、皿置いて来い。栄養補給した鳥類がまた何かやって割られたら俺が母さんにどやされるからな」
「はぁいっ」
京助が迦楼羅から皿をとって悠助に渡すと嬉しそうに受け取りパタパタと部屋を出て行った
作品名:【第三回・弐】玉。 作家名:島原あゆむ