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島原あゆむ
島原あゆむ
novelistID. 27645
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【第三回・弐】玉。

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「緊ちゃん可愛いー!」
「ははは…ありがとだっちゃ;」
坂田と同じようにおさげにされた緊那羅は『可愛い』といわれて複雑な心境で悠助の頭をなでた
「俺には負けるがなかなか似合ってるじゃん緊那羅」
坂田がしゃがんだままそういうと一同緊那羅に注目したが悠助だけは迦楼羅(の髪)に注目していた
なにやら痛いくらいの視線を感じて迦楼羅がチラリと横を見ると悠助がそぉっと迦楼羅の髪を触ろうとしていた
「…何をしている…」
悠助が迦楼羅の一言にビクっとして手を止め、エヘヘ~と笑う
「諦めの悪い輩だな…三つ編みなど…」

ぐきゅるるるるる~…

迦楼羅の言葉がその音にかき消された
その音…それは腹の虫の鳴き声
「…誰だ今のでっけぇ音」
一同腹の虫の飼い主を探して『お前か』を連呼している
「…ワシだ」
『お前か』の嵐の中、迦楼羅が言った
「…体のわりにでっけぇ音」
京助が呆れ顔で言った
「宝珠なくしたのに羽根出したり火吹いたりするからだっちゃ」
緊那羅も呆れ顔でそう言った
「何々? その【ホウジュ】とかいうの無いとどうなんの?」
南が迦楼羅と緊那羅に聞く
「宝珠にはワシの力がそれぞれ分割して蓄えられてあるのだ」
迦楼羅が答える
「そしてそれは4つあり、ワシの力のバランスをとる役目もしている」
「その宝珠が一つなくなったから迦楼羅は無駄に力出していることになるんだっちゃ」
緊那羅が付け足す
「…さっぱりワッカリマセーン」
京助と3馬鹿が【マイッタネ☆】という顔をして首をかしげた
「えと…つまり…4つの戸のが一つなくなってそこから中身がもれてるって感じだっちゃ」
エセ外国人になっている4馬鹿に緊那羅が更にわかりやすく説明する
「おぉ! そうか! 俗にいうアレか、垂れ流し?」
中島がポン! と手を打っち言った
「で、力を垂れ流してるから腹が減ったと…そうなのか鳥類」
京助が迦楼羅を見ると迦楼羅はムスっとして
「そうだ」
と答えた
「かるらん、おなか減ってるの? 何か食べる?」
悠助が心配そうに迦楼羅の顔を覗き込んだ
「待ってて今何か持ってくるから」
そう言うと悠助は立ち上がって駆け足で台所へ向かって行った
「…この間のときはまだあったんだっちゃ?」
緊那羅が迦楼羅に小さい声で聞いた
この間とは【ヘンテコリンなこと】のことだろう
「…わからん」
迦楼羅が言い切ると緊那羅はガックリと肩を落とした
「じゃあもしあの時矜羯羅と闘うことになっていたら…;」
「途中で力が切れていたかもしれんな」
しれっと言い切った迦楼羅に緊那羅は力なく床にへたり込んだ
作品名:【第三回・弐】玉。 作家名:島原あゆむ