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島原あゆむ
島原あゆむ
novelistID. 27645
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【第三回・弐】玉。

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「かるらん…」
緊那羅がプッと噴出した
「かるちゃんだとランドセルだしな…ナイスネーミングだ悠!」
南が拍手した
続いて坂田、中島も拍手する
緊那羅は後ろを向いて肩を震わせ声を押し殺して笑っている
京助もうつ伏せで南を乗せたまま『うへへへ』と変な笑い声を上げた
「ね~かるらん~」
顔を引きつらせている迦楼羅の前髪をくいくい引っ張りつつ悠助が三つ編みしていいかねだる
「かるらんではなく迦楼羅だッ!;【ん】はいらぬ!! たわけ!!! 誰が三つ編みなど…」
迦楼羅に怒鳴られ一瞬きょとんとした悠助は
「じゃぁこっちの何もついてないほうなら駄目?」
とさっきまで引っ張っていたのとは逆の前髪を引っ張る
と…その悠助の行動を見た緊那羅が何かに気づいて迦楼羅を見た

「…迦楼羅…もしかしてなくした玉って…」
「…宝珠だ」
「緊ちゃん変な顔ー」
くいくいと迦楼羅の髪を引っ張り続ける悠助が緊那羅の顔を見て笑う
「な…なにしてるんだっちゃッ!; 宝珠なくすなんてッ!! 乾闥婆に知れたら…」
なくした当本人の迦楼羅より慌てふためいている緊那羅
「だから探しに来たのだ。って…何をしている栄野弟」
自分より慌てている緊那羅にさも他人事のように言う迦楼羅がなにやら三つ編みを開始した悠助を見る
「三つ編み」
三等分した迦楼羅の前髪を交互にゆっくり編んでいっている
「やめんか! たわけッ!;」
迦楼羅が怒鳴って髪を引っ張ると悠助がしょぼくれる
「あ~…悠、ホレ俺のでやれ俺ので」
見るに見かねた結構面倒見のいい坂田が髪を解いて悠助を手招きした
「で…どこでなくしたのか大体の見当とかついてるんだっちゃ?」
「たぶんここだ…と思う。【天】にはなかったからな」
当の本人がアッケラカンとしているのに対し何故か焦っている緊那羅
「もしこのまま見つからなかったら…」
「…乾闥婆に殺されるかもしれんな」
「それもあるっちゃけどッ; でもそれ以上に大事なことあるじゃないっちゃ!?」
3馬鹿と京助はなかなかどうして話に入っていけずただ緊那羅と迦楼羅のやりとりを傍観している
「…俺等無視ですねぇ~」
南が天井を見てボソッと言った
「蚊帳の外ですねぇ~」
中島も南に続いて言った
「南…どけろ…;」
京助が南に言った
作品名:【第三回・弐】玉。 作家名:島原あゆむ