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島原あゆむ
島原あゆむ
novelistID. 27645
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【第三回・弐】玉。

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「長い」
スパーンと坂田が京助の後頭部を引っ叩いた
「一気に言えよ一気に」
南も引っ叩く
「じゃぁお前等が言えっちゅーんじゃッ!;」
京助が二人に食って掛かった
「京様? 私の鉢の中がどうなさいましたの?」
ヒマ子が京助に聞くと
「お前の鉢の中が見たい」
と迦楼羅が中島の小脇から言うとヒマ子が一瞬劇画風の顔になった
「な…何とおっしゃいまして? そこの小脇の方…わ…私の…」
「鉢の中が見たいと言ったのだ」
動揺するヒマ子を迦楼羅が少し睨みつつ言うとヒマ子は京助を見てそして迦楼羅を見た
「私は京様に操を立てましたの! 京様以外の男性にそうやすやすと肉体を見せてなるものですか!」
ヒマ子が声を張り上げて宣言した
「愛されてるねぇ…京様」
坂田が京助の方をポンと叩いた
「…んなもん立てるなよ…」
京助が半分灰色になりながら遠くを見た
「向日葵の分際でなにたわけたこと言っている! さっさと見せんか!」
中島の小脇からするりと抜けた迦楼羅がヒマ子に近づく
「きゃぁぁぁぁぁ! 痴漢ですわ------!」
ヒマ子が身をくねらせて叫ぶと迦楼羅が凍った

「…痴漢…」
緊那羅がボソッと言った
「かるらん痴漢なの?」
悠助が緊那羅の服を引っ張って聞いた
「誰が…誰が痴漢だ!!! たわけ----------ッ!!!!!!!!!」
迦楼羅が怒鳴ると金色の羽根が屋根より高く大きくあらわれ同時に強風が吹き荒れた
「やめんか-----ぃッ!;」
「のぉわぁぁぁあ;!!!」
「きゃ-------!!!」
巻き起こった強風で木々が揺れ葉が飛び、窓はガタガタと音を立てている
「迦楼羅! 迦楼羅ストップだっちゃ-----ッ!;」
緊那羅が悠助を庇いながら声を張り上げて迦楼羅を止めようとする
「きゃぁッ!」
ヒマ子の悲鳴が聞こえゴトリ、と何かが倒れた音がすると風が止まった
コロコロコロコロ…
ヒマ子の鉢から赤く小さな玉が転がり出てきた
作品名:【第三回・弐】玉。 作家名:島原あゆむ