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島原あゆむ
島原あゆむ
novelistID. 27645
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【第三回】金鳥・蚊取線香

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「…は…ね…?;」
迦楼羅(かるら)の背中からはその身長とは不釣合いな巨大な金色の羽根が生えていた
「つうか体のわりにでかすぎねぇ?;」
目の前に広がった金色の羽根を指差して京助が乾闥婆に言う
「もっと大きくなりますけど…まぁああ見えても結構なご老体ですからあまり力使いたくないのかもしれませんし…もっともこれ以上力使うなら僕が止めますからこのくらいが丁度いいんです。さ、矜羯羅は迦楼羅に任せて緊那羅を何とかしないといけませんから。見せてください」
乾闥婆は京助の隣に座ると京助の腕で意識を失っている緊那羅の顔を見、それから全身を見る
「数箇所折れてますね…まぁ腹に穴開かなかっただけよしとしますか。血出ちゃったら服汚れますからね。それに死ぬ危険性も出てきますし…」
おとなしそうな顔して怖いことを連発した後、乾闥婆は胸に着けていた飾りを三回指で突付いた
「この程度ならコレ使わなくても【天】に帰ればある程度早く治るんですけど」
乾闥婆(けんだっぱ)の胸の飾りから小指サイズの小さな試験管の様なものが出てきた
中には何か液体が入っているようだった
「ほら、ぼけっと阿呆面してないで緊那羅の口開けてください」
可愛い顔してババンバン…乾闥婆の性格はかなりキツイらしい
言われるがまま京助が緊那羅の口を指であけると乾闥婆が中に入っていた液体を緊那羅の口に注ぐ
乾闥婆は三分のニを緊那羅の口に注いだ後京助をチラっと見た

「…貴方も飲みますか? たぶん傷治ると思いますけど…」
そういって残っていた液体を入れ物ごと京助に差し出した
「これ…何よ…水?」
透明で無臭の液体を受け取った京助はまじまじと中身を見る
「飲めばわかります」
乾闥婆に見られながら京助はその液体を口に含んだ
甘さの後に辛さというか…熱さが舌に絡んだ
「…なぁ…傷治るどころかスンゲェまずいんだけど」
京助が顔をしかめてカラになった入れ物を乾闥婆に返した
「…そんな…まさかでも…迦楼羅!!」
一体何に驚いたのか乾闥婆は大声で迦楼羅の名前を呼んだ
金色の羽根を広げ矜羯羅と睨み合っていた迦楼羅はその乾闥婆の声に反応して振り向く
矜羯羅も乾闥婆の方を見た
「まだ…早かったみたいです」
乾闥婆のその一言で迦楼羅と矜羯羅の突き刺すような視線が京助に向けられた
迦楼羅が地上に降りると金色の羽根が消えた