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島原あゆむ
島原あゆむ
novelistID. 27645
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【第三回】金鳥・蚊取線香

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矜羯羅の回りに再び無数の玉が浮かんだ
京助には今起こっていることが夢なのか現実なのかわからなかった
怖くはなかった
むしろ本当に何が何だかわからなくて
でもやっぱり玉の当たった箇所は痛く腕にいる緊那羅は意識は無いものの温かくそれは現実で…
でも誰だってこんな状況を現実だなんて思えないだろう
現実か夢か
こんなに頭を使ったことなんて小学校の時の掛け算以来だろう
「なに考えてるの?」
矜羯羅の声でぐちゃぐちゃした考えが一瞬一気に吹き飛んだ
「そろそろ…いい?」
「…嫌だっても実行するくせに」
小さく突っ込み京助は緊那羅を自分の後ろに庇いながら苦笑いを浮かべて矜羯羅を見上げた
「よくわかったね」
にっこりと笑い矜羯羅が指を弾いた
その音と同時に玉が京助に向かって飛んできた

強風が巻き起こった
玉の攻撃に覚悟を決めたのと突然巻き起こった強風でゴミが目に入らないようにというので目をきつく閉じてしまった京助は風が弱くなったのとなにやら気配を感じてゆっくり目を開けた
目の前は一面の金色
「…天国…?」
「たわけ!! 周りをよく見てから言え!!」
ぼそっと漏らした京助に誰かが怒鳴った
と目の前の金色が消えさっきまで見ていた風景と悠助と同じくらいの身長の子供の後姿が京助の目の前にあった
その子供は京助をチラりと見、その後緊那羅を見た
「乾闥婆、緊那羅とそこの馬鹿を任せたぞ」
「な…馬鹿って…コルァガキ!! てめー…」
「本当のこといわれて怒らないで下さい! 迦楼羅ももうちょっとやわらかく言えないんですかまったく…」
迦楼羅が分が悪そうにフンとそっぽを向くと乾闥婆はやれやれというように首を横に振った
「…久しぶりだな矜羯羅」
迦楼羅に名前を呼ばれた矜羯羅は眉をしかめつつも笑顔を浮かべていた
「…まさか君が出てくるなんてね…」
さっきまでとは明らかに様子が違う矜羯羅を目つきの悪い目をさらに悪くして迦楼羅が睨む
「結構楽しそうにやっていたみたいだな…」
さわさわと風が吹き出し砂埃が舞い上がる
「その礼はワシが代わりに返してやろうぞ!!!!!」
迦楼羅の怒鳴り声と共に物凄い強風が巻き起こり目の前に再びあの金色の世界が広がった