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島原あゆむ
島原あゆむ
novelistID. 27645
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【第三回】金鳥・蚊取線香

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『一体なんなんだ
俺が一体何をしたってんだ
そりゃぁ…早弁したり居残りしたりとかは日常茶飯事でやってきたけど
得体の知れない中国雑技団みたいなのに命狙われる様なことなんてした覚えが無い…』

必死で逃げながら京助の頭は混乱していた
ついこの間までは【普通】だったのに
いつの間にか【普通】ではなくなっていた自分の日常…
京助は足を止めた
緊那羅の髪飾りが風に流れ腕に絡みつく

「…緊那羅…お前はどうして俺の所にきたんだ…?」
意識がない緊那羅に問いかけた
「どうして…俺を守るとか言ってんだ…?」
端から血が流れている緊那羅の口は動かない
「…わかんねぇ…」
そう呟くと京助はその場に座り込んでしまった
「…何がわからないの?」
フッと耳に息を吹きかけられて京助が驚き振り向くと息一つ切らさずに矜羯羅が笑顔でそこにいた
「京助って足速いんだね…僕運動嫌いだから疲れちゃった」
「嘘つけ…;」
耳を押さえ緊那羅を引きずって後ろに下がる京助に矜羯羅は面白そうに一歩一歩ゆっくり近づいた
「一気に殺っちゃってもいいんだけど…それだと面白くないし?」
そういいながら矜羯羅が指を弾く
「ッ!;」
玉が京助の腕に当たった
さっき肩に当たったのに比べるとかなり加減した攻撃だったが青く痣が浮き上がってきた
「想い出を思い出す時間とかほしいんじゃない? やっぱり」
再び指を弾くと今度は足に玉が当たった
「だから…ゆっくり消してあげるよ」
矜羯羅の口元には笑みがあった
「やっぱ…スンゲェ【イイ性格】…」