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島原あゆむ
島原あゆむ
novelistID. 27645
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【第三回】金鳥・蚊取線香

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「…乾闥婆は『大丈夫』っていったんだっちゃ」
キンナラムちゃん語が聞こえた
「やっと来ましたか…まったく…照れくさいだの合わせる顔が無いだの散々言っていたくせに、いざ他の人を送るとかになったら…」
「乾闥婆ッ!;」
しれっとした顔で【天】で緊那羅がとっていた行動を暴露していく乾闥婆に緊那羅が真っ赤になって食ってかかった
乾闥婆につねられ赤くなった腕をさすっていた京助はどうして緊那羅がここに来ているのか把握できていないようで目が点になっていた
「蚊取線香とか忘れ物とか…意味の分からないこと連呼して」
「蚊取線香?」
乾闥婆の口から出た【蚊取線香】に反応して京助の目が元に戻った
「乾闥婆ッ!;」
緊那羅は真っ赤になりながら乾闥婆を揺すって話させないようにしようとするが乾闥婆は動じない
「ええ、自分は蚊取線香で忘れ物残してきたとか。まぁ忘れ物って何かは大体わかりますけど…それと蚊取線香が何の関係があるのか僕にはわかりません」
左右に揺すられながらも乾闥婆は淡々と話した
「…緊那羅お前…」
京助に名前を呼ばれて乾闥婆から手を離しふぃっと顔をそらす

「…何純情乙女やってるんですか蚊取線香」
緊那羅の後頭部に乾闥婆のチョップがのめり込んだ
よっぽど痛かったのか緊那羅が頭を押さえてしゃがみこんだ
「…お前…つぇえな;」
「それほどでも」
乾闥婆のその最強 (凶?) っぷりを京助が引きつりながら褒め称えた
「元々緊那羅は確認のために来ていたのに向こうの相手がいきなり矜羯羅だったということ…これはどう考えても緊那羅だけが悪いということにはなりませんし」
乾闥婆がしゃがんでいた緊那羅の腕を引っ張り立たせ、背中を押して京助と対面させた
が…二人して視線をそらして沈黙が続く
「貴方達は昭和純情カップルですか」
再び乾闥婆の容赦ない突っ込みチョップが緊那羅と京助に食らわされた
「…じゃあ僕はこれで帰りますから。迦楼羅がたぶんまた暴走してると思いますし」
そう言うと乾闥婆は数歩歩いて消えた