小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」

ひとりぼっちの魔術師 *蒼の奇跡*

INDEX|8ページ/11ページ|

次のページ前のページ
 

僕以外の誰かから聞いた、「誰かが綴った」過去。
君が拒否した、世界の破片。

ここは、君そのもの。
怖がりな君そのもの。
真っ暗な中で、埃だらけ。
光を求めているのに、光に目が向けられない。

-怖い。
-
この世界は、その叫び。
積まれた知識。
誰かの手によってしか見つけられないほどの膨大な量。
整理のつかない、そこかしこの思い。

僕は多分、鍵。
何となく、そう思った。

過去に聞いた世界を綴った歌。
自然と、僕の口を伝う。
君の涙が、強く流れる。
君の両腕が、僕の背中に伸びる。

-あったかいね。-

君が知った、「誰かの心で描かれた過去」は。
解き放てばいい。
紡いでいけば、きっと真実にたどり着く。
未来が導かれる。

爺さんは教えてくれなかったけれど。
未来へは、こうやって。
歩んでいくんだと思う。

-だけれど…僕には、そんな未来なんてあるの?-

ちくりと、真実の針は僕の胸を突く。

それでも。
君の世界の中では、こうやって。
僕が鍵で。
君がそれを使って。
未来へ、進めようとしている。