ゴミ箱のスレイプニル
回想
昨日は朝起きて学校に行った。
授業内容を一限目から思い起こす。美術系の学校に通っているが、校内で授業中にそのような行為に及ぶだろうか。
静物のデッサン画の下書きを終えた、課題の本を買った――どうだろう、黒線と紙は呪術に関係があるのだろうか。
学科試験の事前テストを行った、僕はB判定だ――文字と数字を使うが、クラス全員が書いている。僕だけに関係があるのだろうか。特定の間違いが偶然呪文に……まさか。
帰りにコンビニに寄り、立ち読みをして友達を話をしてから遅い時間に帰った――多分これは無関係だろう。自分の行動ながら時間を無駄にした。
食事をして風呂に入る、テレビを観る――日常生活だ、ここは呪術的な関わりが薄い気がする。
パソコンで自分のホームページを更新した、デザインを変更したかったので描きかけの背景を仕上げる。何度もやり直して時間が掛かった――文字と数字と言っていた、主にいじったのは絵だ。関係あるかもしれないが、パソコンは捨てていない。
ツイッターにコメントを残し、友達が書いて載せた小説のサイトを覗いて一言書き込んだ――これなら文字と数字を打ち込んだが、他人のサイトだ、どうも違う気がする。
寝る前に課題の作品を仕上げた。描き上げた油絵に切り絵を貼り付け、立体的に見せる作品だ――最も手数が多かったが、使ったのは紙と鋏と糊だ。しかし、最も近い気がする。
僕は考えながら、気になった単語を調べたいのでパソコンを起動させる。最近は立ち上がりが遅くなったので待つ間に頭を整理する。
記録と破棄。
記録とは書き写す、覚える、後に残すことだ。破棄とは文字通り捨てる意味だろう。
作品名:ゴミ箱のスレイプニル 作家名:夕雲 橙