「山」 にまつわる小品集 その弐
筑波山は四六の蝦蟇・カエル岩伝説 (二次創作・銀魂)
「…………97,98,99,100、はい交替ね」
汗まみれとなった神楽は、大きなうちわを新八に渡した。
ソファの背もたれに仰向けになっている銀時と神楽の前に立った新八は、大きなうちわを左右に振って風を送った。すぐに汗が噴き出してきた。
「うわ―っ、銀さん、やっぱ扇風機使いましょうよ」
「なに言ってんだ。今年は節電しなきゃなんねえんだ。昨日も扇風機付けた途端停電になったろうが」
「停電になったから、アイスクリームが溶けてしまったアルね」
「その溶けてしまったアイスクリームを全部食べてしまったのは誰ですか」
「溶けても味に変わりはねぇ」
「この暑さ何とかなりませんかねぇ」
「心頭滅却すれば南極もまた北極だよ」
「銀さん言っとくけど、南極は南でも常夏じゃないからね」
「分かってるよ、南極がお前、常夏のパラダイスのわけねーだろ」
「なんで今年は停電が多いのね」
「電気が作れないんですよ。油が不足しているんです」
「あ・ぶ・ら、ねぇ」
しばらくすると、銀時は大きな虫かごを肩に下げて現れた。
作品名:「山」 にまつわる小品集 その弐 作家名:健忘真実