ゴールドとカッパーの心理合戦(ココロしあい)
…本当だったら言うつもりだったって事かい、そりゃぁよ?
日頃から彼女を手伝ってた甲斐があったってもんだ。良かったな、俺。
「ははは…、そりゃどうも。慈悲深い美和子さんの優しさに、改めて感謝するよ」
俺は、引きつり笑いで礼を述べた。(あくまでクールを装って)
「じゃ、それで貸し一つにしておくね」
「ええっ!?どういうことだよ、それ!?」
ホント。意味分からん。
「”貸しを無かった事にすること”。それが、『貸し』よ」
――ああ、なるほど。こいつはた(`)ま(`)げ(`)た(`)。
「ハハハハ!その発想は思いもよらなかった、一本取られたぜ」
ユーモアのセンスもあるとはな。ホント、利発な子だ。
ホント、ますますもって――
――恐ろしい程、油断出来ない奴だぜ。
作品名:ゴールドとカッパーの心理合戦(ココロしあい) 作家名:ミムロ コトナリ