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秋月あきら(秋月瑛)
秋月あきら(秋月瑛)
novelistID. 2039
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科学少女プリティミュー

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 鞭を鳴らしたゲル大佐の前にはボディスーツを着た戦闘員たちが整列している。右から赤、青、黄、緑、黒の順番だ。
 ゲル大佐が鞭を鳴らした。
「貴様ら服装がたるんでいるぞ!」
 ぴっちりボディスーツのどこがたるんでいるのかひと目ではわからない。
 動揺する戦闘員にゲル大佐の鞭が炸裂した。
「キーッ!」
 奇声をあげて倒れる戦闘員の腹にゲル大佐のハイヒールの踵がねじ込まれる。
「ち○この位置がたるんでいるぞ!」
 恥ずかしげもなくち○こというゲル大佐の表情は真剣そのものだ。
 ゲル大佐が話を続ける。
「蜘蛛男は横○んだった。そういう気のたるみが敗北に繋がったのだ。以降横○んをした者は、その場でアタシが死刑を下す、いいなっ!」
 一括されて戦闘員達はひと目も気にせず、股をまさぐってチンポジを直す。
 震え上がる戦闘員達を影から笑う者がいた。
「ケケケッ、ゲル大佐殿、そんなに戦闘員達を苛めるのがお好きですか?」
 声を主を探そうとゲル大佐が辺りを見回す。
「誰だ!」
「わたくしめでございます」
 天井から羽を広げて降りてくる黒い影。
 それを見取ったゲル大佐は誰だか悟った。
「蝙蝠伯爵か」
「左様でございます、ゾル大佐殿」
 ゲル大佐の目の前に現れたのは蒼白い顔をした中腰の老人。タキシードを着こなした背中には漆黒の翼が生えている。吸血怪人――蝙蝠伯爵だ。
 蝙蝠伯爵はゲル大佐の顔を見ながら不気味な笑みを浮かべた。
「プリティミューの首を取る役目、わたくしめにお任せいただけないでしょうか?」
「首を取る自身があるのか?」
「いえいえ、若い乙女の生き血は極上の味。プリティミューの生き血を味わってみたいのです、ケケケッ」
「ふふっ、おもしろい。よかろう、プリティミューはおまえに任せたぞ――蝙蝠伯爵!」
「お任せを」
 霧にように蝙蝠伯爵は姿を消した。
 戦闘員たちも姿を消し、ゲル大佐の鞭が甲高く鳴いた。
「プリティミュー、アタシをがっかりさせるなよ……おほほほ、おーほほほほっ!」
 静まり返った基地内にゲル大佐の笑い声が木霊した。

 ついに本格的な帝都制圧に乗り出した秘密結社ジョーカー。
 帝都支部に派遣されたゲル大佐の命により、吸血怪人蝙蝠伯爵の魔の手が科学少女プリティミューに迫る。
 戦いの渦に巻き込まれたミユの運命はいかに!