科学少女プリティミュー
歯を粉砕されながら、鼻血ブーで蝙蝠伯爵はブー飛んだ!
ミユのミラクルな攻撃が決まった。
ついに地上に落ちた蝙蝠伯爵。
「おにょれー、プリテーミョー!」
歯を砕かれ、鼻血ブーで、うまく喋れないらしい。
立ち上がろうと蝙蝠伯爵が地面に手を付いた瞬間、ゴキッと濁音が辺りに響いた。
蝙蝠伯爵は変な体制で動きを止めてしまっている。
「こ、腰が……」
ギックリ腰だ!
吸血怪人蝙蝠伯爵も歳には勝てなかったらしい。
ギックリ腰で蝙蝠伯爵が動けない今がチャーンス!!
「マジカルハンマー・フィギュアチェンジ!」
横殴りでミユのマジカルハンマーが炸裂した!
「ぎゃぁぁぁ!」
叫んだ蝙蝠伯爵の身体が見る見るうちに縮んでいく。
そして、呆気なく小さなフィギュアになってしまった。
さっきまでちょちょと遊んでいたハズのワトソン君がすかさずフィギュアを回収。
終わったのだ。
戦いは終わり、ミユは勝利したのだ!
ドッと疲れて立ち尽くすミユにメグが駆け寄る。
「センパーイ!」
「……しまった」
どうにか誤魔化さなくては……。
とっさにミユは目元を片手で隠し、残って手で鼻をつまんだ。
「センパイって誰のことかな?」
鼻のつまった声で苦し紛れの誤魔化しをするミユをメグはきょとんと見ている。
「なにしてるんですかセンパイ?」
「センパイなんて知らない。私は正義のヒロインプリティミュー。ミユさんと私は一切無関係だから、彼女に迷惑をかけないように。それではさらばだ!」
メグに背を向けて逃亡するミユ。始終苦しすぎる言い訳と行動だった。
頑張れミユ!
負けるなミユ!
苦しすぎるぞミユ!
――秘密結社ジョーカー帝都支部。
ゲル大佐は蝙蝠伯爵が倒された報告を受けていた。
「おのれ、またプリティミューか……」
ゲル大佐は怒りに任せて鞭を鳴らした。その衝撃でほぼ丸見えの巨乳が揺れる。今にも乳首を隠しているサスペンダーが外れてポロリしそうだ。
歯をガチガチ鳴らすゲル大佐の正面で、通信装置が波打って何者かのシルエットが現れた。
即座にゲル大佐は背筋をピンと伸ばして敬礼をする。
「首領!」
突然の首領の通信にゲル大佐は硬直した。
「蝙蝠伯爵がやられたそうだな」
「ヤー!」
ドイツ語でイエスと答えるゲル大佐の顔は苦々しい。
首領の口調は厳しかった。
「小娘相手になにをしておったのだ」
「蝙蝠伯爵は歳でち○こが使い物になりませんでした。だから負けたのです!」
蜘蛛男が負けたとき同様、ゲル大佐はちん○にこだわっているようだ。半裸状態のコスプレから考えても、やっぱりただの○んこ大好きな痴女だ。
「ち○こさえしっかりしていれば勝てたのです!」
よくわからない理屈だ。
物陰から声がした。
「ち○こち○ことこだわっているから、負けたのではありませんか?」
姿を現したのは赤いハイレグ水着に手はカニのハサミ……じゃなかった。よく見ると、サソリの尻尾が生えている。サソリ女だ!
「ち○こなどついているから気になるのです。このレイディスコーピオンが必ずやプリティミューを倒して見せましょう」
メスのレイディスコーピオンにはち○こはついていないが、根本的な問題として戦いにち○こは関係ないよう気がする。
だが、ゲル大佐は期待を寄せた。
「ふふっ、よかろう。プリティミューのことはお前に任せたぞ、レイディスコーピオン!」
「はい、お任せあれ」
女二人の笑い声が基地に木霊した。
秘密結社ジョーカーに命を狙われるミユ。
ち○このないレイディスコーピオンが、科学少女プリティミューに戦いを挑む。
果たしてプリティミューVSレイディスコーピオンの女同士の戦いゆくえはいかに!
作品名:科学少女プリティミュー 作家名:秋月あきら(秋月瑛)