詩群。
■Lilac.
うすい淡い色の むらさきの花びらが
空に浮かんで雲みたいだ
空の向こうの君の眸が 寂しさに細まった 気がした
うすい淡い色の むらさきの花ふぶき
空に寄せて波みたいだ
空のはざまの君の夢が 哀しさに薄まった 気がした
どうしようもなく同じ毎日が 足音をたてて追ってくる ような
霧のような不安を持てあましているよ
遠い遠い むらさきの丘のうえで 君を
いつまでも君を 待っているんだ
今日が昨日と同じだなんて言えるはずもなく
明日のことなんて君にも わかるわけがない
手探りで暗闇に堕ちた瞬間には
きっと 泣きたくもなるけど
いつだってこの今には 君を見ているよ
空と君との間には 消えない夢もあるだろう
うすい淡い色の むらさきの花びらが
空に浮かんで雲みたいだ
遠い遠い むらさきの丘のうえで 君を
いつまでも ただ 君を君を 待っているんだ