詩群。
■カナリアの夏
ボクは暗い部屋の中で
黄色い小さな鳥を描く
君の好きな鮮やかに黄色い鳥を
いつしか小さなこの鳥は
真夏の空に飛びだして
大好きな君の傍へと舞いおりる夢を見る
そして君の許で
ボクの代わりに
君を守り愛しつづけてゆくでしょう
カナリアの夏
君はうつむいて
蒼い蒼い空に
ずっと心寄せて
かなしみの夏
ボクは描きつづけるよ
もう一人のボクを
君に届くその時まで
カナリアは飛ぶ
ボクの心ごと
君の空へ
深く深く舞いおりてゆく
カナリアの夏
君はふりむいて
やがて小さな
黄色い鳥を見つけるでしょう
やがて空の青に君の色が流れる