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島原あゆむ
島原あゆむ
novelistID. 27645
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【第一回】 始まりはエビフライ

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「トイレ」
辺りの空気が一瞬にして緩んだ
「トイレ~!!」
「だーッ!; もう我慢しろんなもんッ!!;」
「ヤダー! できないー!!『しぜんげんしょう』だもん!! トイレー!!」
「だったらその辺でしろッ!!;」
「ヤダー!! トイレー!! トイレいくー!!!」
しょうもない兄弟喧嘩のゴングが鳴った
「どうして来る前に家でしてこなかったんだよ馬鹿ッ!!」
「馬鹿じゃないもん!! 京助がお弁当忘れるから京助の方が馬鹿だもん!!」
「お、悠それは正論だな」
「やかましい坂田ッ!!;」
ぎゃーぎゃー喧嘩する栄野兄弟に坂田がハッハと笑いながら口を挟む
「京助馬鹿説に賛同のものー挙手!」
南の声に中島、坂田、悠助、そしてコマとイヌまでもが手を挙げた
「おのれらはーッ!!;」

ゴスッ

ほぼ同時だった
京助が声を張り上げたそのとき悠助の持っていた弁当箱が空中分解し中身が舞った
カランカランと空しい音を立てて空の弁当箱が屋上の床に落ちた
「人を無視するなっちゃ」
弁当箱の後に続いて中身が床に落ちてゆく
ミニトマト、白米、玉子焼き…
「俺のエビフライ-----ッ!!!;」
京助の叫び声が青く晴れた空に響いた

屋上の床に無残にも落ちたエビフライ(とその他)
散々腹の叫び声と格闘して待っていたエビフライ(とその他)
変な服装のラムちゃんに追いかけられながら守っていたエビフライ(とその他)…
「俺のエビフライ----!!!!!!!!!」
「京助!! 3秒ルールだ!! 3秒ルールッ!!」
「駄目だ!! 無理だ南! もう3秒以上経ってる!! ルールは無効だ!」


【解説しよう。3秒ルールとは床に食べ物が落ちても3秒以内なら拾って口にすることが出来るという素敵的ルールであり、きちんとした同盟もあるのである】

半狂乱でエビフライと叫ぶ京助を南と中島が落ち着かせようとする
「弁当と自分の命と…どっちが大事だっちゃ…」
これから殺される(かもしれない)状況にあるのになおも床に落ちた(元)弁当に対して喚く京助を緊那羅は呆れたように見ていた
「とにかく…栄野京助、及びその取り巻き…覚悟するっちゃ」
二本の棒を回し緊那羅が近づいて…
「何さらしとんじゃきさ----んッ!!!」
…来たかと思ったら何処からかとんできた未確認亜光速飛行物体が緊那羅を直撃し、緊那羅は白目で倒れた
倒れた緊那羅の頭の上には目を回しているコマがいた
「ハルミさんが折角馬鹿息子の為に朝早くから作った弁当様を…ッ」
コマは屋上の入り口に立っていた坂田がぶん投げたらしい
片手にはコマを外した時用に予備(イヌ)が捕まっていた
「あ~食べ物粗末にしちゃあ駄目なんだぞー」
坂田の後ろから現れた悠助が白目むいて倒れている緊那羅に向かって怒っている
「人が悠を便所に連れて行ってる間になにしくさってんじゃワレ…アァン?」
ぐりぐりと気を失っている緊那羅を足蹴にする坂田を見て
「なんというか…やっぱり組長の血筋だよな」
「つうかハルミさん絡むと本当性格変わるよな」
「ウチの母さんのどこがいいんだか…;」