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島原あゆむ
島原あゆむ
novelistID. 27645
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【第一回】 始まりはエビフライ

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玄関先から4人の笑いのトルネードが発生したのはそれから間もなくの事だった
「何がおかしいっちゃッ!!;」
笑いまくる4人にキレた緊那羅
笑い声にまぎれて聞こえてくる腹の虫の声
そして更にその中から聞こえた…
「きょぉすけ~」
という声と明らかに何かを振り回して落とした音
そのどちらかに各々が反応して振り返る
目に入ったのはうつ伏せに倒れている悠助と二匹の犬、そして待ちに待った愛しの弁当箱だった
「…悠?;」
なかなか起き上がらない悠助に比較的遠くから京助が声をかける
するとどんぐり眼に涙を溜めて泣くのを懸命に我慢しながら悠助が顔を上げた
「ほ~ら悠! 泣かない泣かない~もう一年生なんだろー? 痛くないぞー痛くない痛くない」
「そうそう! えらいぞー! 泣かなかったらもっとえらいぞー!!」
「一年生だもんなー 一人で立てるもんなー?」
南、中島、坂田の三人があやすと悠助は鼻水を啜って立ち上がった
「いたくないもん…僕泣かないもん…いたくないもん」
ぐしぐししながら弁当箱を拾うと京助の方に向かって歩き出した
そして京助に辿りつくと足にしがみついた
「よ~しよく我慢した! えらいぞ悠!」
三人から拍手が巻き起こる
「そこ!! 無視するなっちゃッ!!」
すっかり忘れ去られていた緊那羅(きんなら)がついに突っ込んだ
「あぁ! ラムちゃん!! いたことすっかり忘れていた」
「ラムってだれだっちゃッ!!」
悠助の頭を撫でながら『スマンスマン』と謝るしぐさをした
「お前ら…私を馬鹿にしてるっちゃね」
「え? そんな格好してお前が馬鹿じゃなかったんか?」
南が突っ込んだその時だった
緊那羅が両足につけていた棒のようなものを両手に持つとくるくると回し
「…そこの4人…覚悟するっちゃーー!!」
高さ30mの旗棒の上から京助達めがけて飛び降りてきた
「でぇぇぇー!!!?;」
間一髪攻撃をよけた(っぽい)京助達は逃げるが勝ちというように一目散に走りだした
「逃がすかぁっ!!」
緊那羅は体勢を立て直すと後を追った