eternity with・・・Bsaide・・・2
待ち合わせ
「お待たせっ!」
花火大会の当日。駅前に現れた彼女は黒地にピンクの蝶が描かれている浴衣に白地の帯を可愛く結っていた。
「2人とも似合うじゃん!」
実は午前中に帰宅した健二から連絡があり、そこで彼女と電話した内容を伝えどうにか健二の浴衣の準備が間に合ったのだ。さすがに文句は言われたが、それは止揚がないということで・・・。
電車に乗り込むと早めに待ち合わせしたのに浴衣姿の恋人たちがちらほらと見られた。いったいオレたちはどういう風に見られているんだろう・・・。どう見ても三角関係にしか見られないのか・・・。
電車に揺られ1時間。目的の駅から15分ほど歩くと河原についた。運よく早めに来たおかげでボックスシートを予約できた。
「始まるまで屋台行こうよ!」
はしゃぐ彼女に連れられオレたちはしばらく屋台を満喫した。射的では以外に健二が活躍し、彼女の手にはいっぱいのおみやげがぶら下がった。金魚すくいが得意なオレは、彼女に3匹の金魚をプレゼントした。
「うちの金魚と仲良くやってくれるといいなぁ」
チョコバナナを頬張りながら彼女が言った。
「金魚いるの?」
「うん!4匹!けっこう長生きしてるんだよ!すごいでしょ?」
「すごいね・・・あ・・・待って?」
オレの指は自然に彼女の口元を拭っていた
「え・・・?」
「あ・・・チョコついてたから・・・」
「やだ・・・恥ずかし・・・」
そう言ってポッと頬を赤らめた。オレも自分のした行動にちょっと驚いた。まぁ、5こ下の妹がいるといつものことだったから自然にやってしまったのだろう・・・。
「そろそろ行こうぜ?」
「はぁい!」
ちょっと先を歩いていた健二を彼女と二人で追った。
作品名:eternity with・・・Bsaide・・・2 作家名:沖田晴