eternity with・・・Bsaide・・・2
彼女に連絡するのに・・・
・・・1時間が経過した。
宛先に彼女のアドレスを入れ、本文を入れようとしたが待ち合わせの事だけでは味気ないような気がして、何度も何度も書いては消し、書いては消し・・・。
こんな繰り返しが1時間も続いていた。
「はぁ・・・」
溜息ばかりが出る。こうしていても時間だけが過ぎてしまう。思い切って打ち込み送信した。
(こんばんは。樋杉です。健二からアドレス聞いて連絡しました。来週の花火大会の連絡です。混むと思うので、15:00に駅前に集合でどうですか?都合悪かったら連絡ください。0X0-11XX-08XX)
見直してみても味気ないのは解っていたが、これ以上書きようもなかった。きっと健二だったらもっとフランクにしていたのに・・・。
・・・リリリリリリリリン
急に手にしていた携帯が鳴り響いた。見覚えのない番号だが・・・
「はい・・・」
恐る恐る電話に出た。
「あ!もしもし?樋杉くん?」
名乗らなくても声の主はわかった。
「諏訪部さん・・・?」
「そう!メールありがとね」
わざわざ電話をしてくれたのが嬉しかった。
「でさ、来週って何着ていけばいいの?」
「え・・・?普通でいいんじゃないの?」
「・・・そっかぁ」
少し残念そうな声が気になった
「どうしたの?」
「浴衣・・・着ていこうと思ったんだけど・・・」
あぁ、花火大会だし女の子なら浴衣着たいだろうな・・・
「いいと思うよ?浴衣。オレも浴衣にしようかな・・・」
「本当?!ねぇ、そうしようよ!」
予想もしない展開になってしまった・・・。健二が言っていたのはこれだったのか・・・。
「う・・・うん」
彼女の嬉しそうな声に断る事が出来なかった。
「じゃ、来週楽しみにしてるから!」
「わかった。じゃあ来週」
電話を切った後健二に連絡しようとしたが、すでに田舎に帰っている健二には連絡が取れなかった。
「・・・どうしよう」
・・・どうしようもなかった。
作品名:eternity with・・・Bsaide・・・2 作家名:沖田晴