CROSS 第2話 『9番目の異次元ステーションでの災難』
第2章 到着
(あの救援通信から約3時間後、異次元ステーション
『DW9』に到着した特務艦のブリッジにて…。)
「目的地の異次元ステーション『DW9』に到着しました」
艦のコンピューターが到着したことを告げた。特殊部隊『CROSS』
のメンバーを乗せた特務艦が救援通信を出したステーションに着い
たのだ。
ブリッジにいた椿少尉が、ブリッジの前方に見えるステーション
を眺めながら、
「山口さん、着きましたよ。救助の準備はできているんですから、
すぐに行きましょう」
と、ブリッジの中央にある指揮官席に座っていた山口少佐に言った
。だが、彼は何の返事もしなかったので、不審に思った椿は少佐を
よく見ながらもういちど言おうとしたが、
「…少佐? …あっ!!!」
少佐をよく見たとたん、椿はほおを膨らませ怒り出した。そして、
ドシドシと少佐に向かって歩いていった。
彼女が怒ったのは無理もない、なぜなら山口少佐は、この非常時
に指揮官席に座って、PSPの『モンスターハンター2G』をしていた
のだ。
しかも、少佐に向かって歩いていく彼女は、さらにひどい状況で
あることに気がついてしまった。その状況に気がついた彼女は、そ
の場で立ち止まり、般若のような顔になりブチギレた。
その状況とは、少佐は1人でゲームを楽しんでいるわけではなく
、同じブリッジにいたガリアとウィルとあのエレベーターでいっし
ょだった少女中尉の間で通信プレイをしていたのだ。
ブチギレている椿は、大きく息を吸った。
作品名:CROSS 第2話 『9番目の異次元ステーションでの災難』 作家名:やまさん