CROSS 第2話 『9番目の異次元ステーションでの災難』
「もしもし、こちら特殊部隊『CROSS』だ!」
…と、男の声がした。クルーはすぐに大声で助けを求めた。つい大
声を出してしまい、焦ったが、怪物には気づかれてはいないようだ
った。
どうやら、応答したのは、自分と同じ国の陸軍の特殊部隊のよう
だった。彼らが乗っている艦は、『ベルサイユ造船所』で無駄に大
金を使って建造されることで有名な『アントワネット級』の艦だっ
たが、この際文句は言えまい。
「怪物とはどういう生物だ!?」
と向こうの男は聞いてきた。そんなことよりも1秒でも早く救助し
てくれとクルーは思った。
「怪物は怪物だよ! とにかく早く助けてくれ!」
とクルーは大声で向こうの男に呼びかけたが、ディスプレイに『通
信不可』と出たことにに気がついた。クルーは舌打ちしたが、すぐ
に助けにきてくれると自分を納得させ、すぐに落ち着いた。
クルーは、念のため隠れておこうと、部屋のどこかに隠れる場所
がないか探し始めた。
作品名:CROSS 第2話 『9番目の異次元ステーションでの災難』 作家名:やまさん