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CROSS 第2話 『9番目の異次元ステーションでの災難』

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「命中!!!」

 少女のと思われる甲高い声が、2人の隊員と悪魔に聞こえてきた
。その声のあと、悪魔が倒れている怪物を起こそうとした。悪魔に
刃物は効かないはずである。……だが、いくら悪魔が倒れている悪
魔を起こそうとしても、その怪物は起き上がろうとしなかった。

「残念だけど、そのケダモノは死んでるわよ。死亡証明書を出そうか?」
 さっきと同じ声がした同時に、通路の向こうから、ワンピースを
着た1人の少女がゆっくりと現れた。
「この包丁はただの万能包丁じゃないわ。魔力を帯びているのよ。
 だから、あんたみたいな悪魔も殺せるの」
現われたのは椿であった。口はニヤリとしていた。味方が現れたことに、2人の隊員は少し安堵した。
 しかし、敵である悪魔は大きく鳴きながら、椿に襲いかかった。
椿は、もう何も武器を持っていなかった。

   ドォウーーン!!!

 大きな銃声がしたかと思うと、いきなり悪魔が後ろに大きくブッ
飛ばされた。悪魔は、通路の曲がり角の壁までブッ飛ばされ、壁に
金属音と何かが砕ける音を大きくたてて、叩きつけられた。その悪
魔が起き上がることは無かった。2度目の突然の出来事に、2人の
隊員は開いた口が塞がらない様子だった。

 椿の次に通路の向こうから現れたのは、山口少佐であった。少佐
は両手に大きな大口径ライフルを持っていた。一見は、よく見る現
代的な狙撃ライフルだが、装着してあるマガジンは不気味に青く輝
いていた。マガジンに入っている弾は、魔力を帯びた『魔弾』であ
った。