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CROSS 第2話 『9番目の異次元ステーションでの災難』

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 貨物を届けにきた巡洋艦『エンターP・0』は何の問題も無く、
ステーションとドッキングした。そして、すぐに貨物の移動が始ま
った。運搬はロボットがやり、指示・整理は作業員がやった。
 艦からの貨物は、すべて鋼鉄製のコンテナでかなりの量があり、
貨物の移動が終わったころには、ステーションの倉庫はいっぱいに
なっていることだろう。一区切りついた2人の作業員が倉庫の鋼鉄
製のコンテナの上に腰かけ、コーヒーを飲んでいた。
「しかし、かなりの量だよな」
「例の新型艦のパーツだろ。いつ完成するんだろうな」
「人づてに聞いた話じゃあ、早ければ来週にも完成らしいよ」
「なんだすぐじゃないか! 先月、着工したばかりだったろ!?」
「次世代の新型艦といっても、テスト用の試作艦だから、早くつく
 れるんだろ」
「それでも早いな。 またどこかと戦争でも始まるんじゃないか。
 そうなったら忙しくなるな」
「ああ、このステーションは前線に近いからな。補給とかで仕事が
 増えるな」
「やれやれ」

   ガリッ!!!

 彼らがいた倉庫に、何かを強くひっかいたような大きな音が響き
わたった。
「……おい、何の音だ?」
「今座っているこのコンテナから聞こえたような……」

   ガリッ!!! バァァン!!

 この音とともに、彼らが座っていたコンテナの彼らが座っている
すぐ後ろの位置に大きな穴が開き、驚いた彼らが振り向くよりも先
にコンテナの内部から伸びてきた触手に、2りともコンテナの内部
へ引きずりこまれた。彼らは突然の出来事に一言も声を上げること
ができなかった……。