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CROSS 第2話 『9番目の異次元ステーションでの災難』

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 しばらく部屋の中には、クルーの泣き声と重苦しい空気が占拠し
た。一度に大勢の仲間を失ったのだから、泣くのも無理が無いだろ
う。

 突然、少佐が思い出したように立ち上がり、いつの間にかこの部
屋に戻ってきていた椿少尉に向かって大声で言った。
「おい、椿!! 隊員たちの武器は?」
「……全員、火薬式かレーザー式の銃ですけど…」
「やばい!! 悪魔には魔術しか効かないんだ! 隊員たちの武器
 では、時間稼ぎにしかならない!」

 そういうと、少佐はかけ足で通信室を出ようとした。部屋にいた
泣いているクルー以外全員も、少佐についていこうとした。

   タタターン!! タタターン!!

 連射式のと思われる銃声が、少佐たちがいる通信室まで響いてき
た。間違いなく、隊員たちの銃によるものだった。
「佐世保はここに残って、コンピューターで情報収集を続けてくれ。
 椿とウィルはいっしょに来い!」

 そして、山口少佐たちは、いそいで部屋を出て、銃声がしたほう
へと走って行った。