小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」

CROSS 第2話 『9番目の異次元ステーションでの災難』

INDEX|15ページ/30ページ|

次のページ前のページ
 


 とても信じられない様子で、クルーは即座に質問した。
「……しかし少佐! なぜ彼らがそんなことを!? 理由はいった
 いなんですか?」
「落ち着け中尉。巡洋艦が来てから、そこの艦長とは一度でも直接
 連絡できたか?」
「……いいえ。向こうの艦長は体調が悪いらしく、代わりに副長が
 指揮をするとのことでした…」
「……その副長は『アーチャー』という名前だろう?」
「ええそうですが…」

 クルーがそう言うと、少佐は、またため息をついた。
「主犯は副長のアーチャーに間違いないな。 奴は、野心深い男で
 総合士官学校で有名だった。 しかし、あいつに従うアホもいた
 もんだな……」
 少佐がそこまで言うと、最初は信じられなかったクルーも、犯人
が誰なのかを理解し始めたようだ。
「……そういえば、気が付いたら、巡洋艦の連中と艦は、このステ
 ーションから消えていました」
「そりゃそうだ。たいていの悪魔は、敵か味方かを見分けることは
 できないからな。 ……あと、例の次世代艦も消えてたぞ。それ
 が目当てだったんだろうな」

「……許せません!!!」
 少佐がそこまで言うと、クルーは肩を震わせながら大声で言った。

「今は復讐するより、どれだけ被害を抑えられるかだ。あんた以外
 に生存者はいると思うか?」
「私だけかもしれません。みんな脱出艇で脱出しようと格納庫に集
 まったそうですが、間に合わず、悪魔たちに殺されたようです。
 私は遅れてきて、その現場を見てしまい、必死にこの通信室まで
 逃げてきてしまいました……。 ああぁっ!!」
そこまで言うと、クルーは泣き出した。ウィルがすぐそばに来て、
泣くクルーの肩に手をやった。