小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」

CROSS 第2話 『9番目の異次元ステーションでの災難』

INDEX|14ページ/30ページ|

次のページ前のページ
 


「どこかのバカが、このステーションとデモナータとをつなぐ扉を
 つくって開け放ったのかな…。 このステーションに魔術を使え
 る奴はいる? もしくは、怪しい奴」
「いいえ、このステーションに魔術を使える人間はいないと言い切
 れます。それに、クルーの身元調査も厳重に行っています」
「…しかし、魔術を使える人間じゃないと、デモナータとの扉は開
 けない……。 ……そうだ、その悪魔たちが現れたとき、このス
 テーションはどういう状況だった?」

 ベシアーは少し考え込み、そして思い出したように言った。
「……そういえば、あのときは、このステーションに我国の海軍の
 巡洋艦『エンターP・0』が貨物をこちらに搬入する作業の最中で
 した!」
「貨物の中身は?」
「例の次世代艦の部品ですよ。かなりの数のコンテナがあったはず
 です」
「コンテナの検査は? ……中身の」
「……実は検査はしていません。
  ……とても精密な部品が入っていて、あとで影響が出るかもし
 れないと、巡洋艦側の担当者に言われたそうです…」

 クルーが、おそるおそるそこまで言うと、それを聞いた少佐は、
大きなため息をつき、そばにあったイスにドカっと座った。通信室
にいた佐世保やウィルもため息をついた。

 部屋にいた全員が無口になり、しばらくして少佐が、小さなため
息をついて言った。
「……『エンターP・0』からのコンテナに部品じゃなくて、悪魔たちが入っていたことは、ほぼ間違いないだろう。 「手違い」ではないだろうからな」