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明日に向かって撃て!(終)

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 ペットの捜索願いは、ぼつぼつとではあるが相変わらずあるものだ。
 今回は珍しく大型犬である。しかも日本では珍しい犬。
 ディズニー映画『101匹わんちゃん』で有名な、ダルメシアン、である。男前(イケメンといってはいけない)で中高年女性に人気の高いスポーツ選手と同じ、『ダルちゃん』という名前を付けている。
 かなり目立つ犬だからすぐに見つけられそうなもんだが、1週間前にいなくなってから、飼い主は近所を捜し回っても何の情報も得られず、俺のところへ持ち込んできた、というわけだ。
 昼間は庭に放し飼いをしていて、その間にいなくなったという。
 俺としては、もう時間が経ち過ぎていて、なんともしがたい、といった気分だ。
 
 ソファに座り壁に貼ってある市内地図を睨みながら、どちらの方角からあたってみようかと迷う。こんな時にはダーツを投げるに限る。その方法で株式銘柄を選ぶと、証券アナリストのポートフォリオに頼るよりもよっぽどよく当たる、と言われているらしい。
 試しに投げると、隣の高槻市にそれた。そんな所まで飼い慣らされた犬が行くわけない。目撃情報がないというのだから、山に入ってみることにした。
 シャーロックはいつものように小沢耕作さんに預かってもらおう。鼻が使えないというのは大きな痛手だが、短足胴長ときては山歩きはきつかろう。