明日に向かって撃て!(終)
「コナンさん、クリスマスの日、男の子にケーキ、プレゼントしたんやて?」
「ああ。なんで知ってるんや?」
「そこの事務員さん、うちによう来はるねん・・そんなことして良かったんやろか。情に流されるんは良くない、思うで。それにそのお母さんケーキもろて、どんな気持ちやったんやろ、思う」
セルロイドのお面を売っている出店があった。
ウルトラマンやウルトラセブンがあり、手にしようとすると、
「兄ちゃん、買うんか。買わんのやったらいらわんといてや」
茶色のジャンパーを着たおっさんに言われて一旦手を引っ込めたが、買うことにした。
「ウルトラぁセブン!・・・子供の時のヒーローは、夢もやけど、大人になってもやっぱりヒーローのままなんや」
俺はウルトラセブンになって、いろいろなポーズをとった。
分かってもらえんかもしれんけど、いくつになっても男には守りたいもんがある、と思う。それを思い出させてくれた浩には、ホントに感謝の気持ちを抱いたのだ。
面を顔に付けて、緑ちゃんを正面から見据えた。
綺麗に装った緑ちゃんはあきれた表情をして、黙って見ていた。
2012.1.23
作品名:明日に向かって撃て!(終) 作家名:健忘真実