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明日に向かって撃て!(終)

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 俺は事務を取っている女性に、ケーキのパックを返して来てくれるように頼んだ。聞き耳を立てていたらしく、事情は呑み込んでいた。俺はそして、彼女に耳打ちをした。

「エメリウム光線のポーズ、デュアッ!」
 俺は両腕を胸の前で構えてポーズをとった。
 そうして浩とウルトラセブンのアイ・スラッガーや地球防衛軍の話をしているうちに、事務員はクリスマスケーキの箱を捧げて戻り浩の眼の前に差し出した。

「はいこれ、サンタさんからのプレゼント」
 浩は眼をパチクリとして母を見た。
「滅相もございません。頂くわけにはいきません」
「久しぶりにウルトラセブンの話ができたお礼です。僕、大ファンでしてん。さ、もう帰ってよろしい。メリークリスマス!」

 ありがとうございます、ありがとうございます、と繰り返し、母は浩の手を握って帰っていった。浩はケーキの箱を抱え、何度も振り返っていた。


 翌日は閉店すると、すぐさまお正月モードに店内を模様替えするので大忙がし。俺も遅くまで手伝った。